左からGT500のJAF GP獲得者3人、大駅監督、柳田、クインタレッリ。さらにGT300のJAF GP獲得者、谷口と番場。

「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011」は、13日、晴天の富士スピードウェイで大会最終日を迎え、GT500、GT300、Fニッポンの各部門におけるJAF GP獲得者が決定した。

まずは今年から“一発決勝”に変更されたFニッポンの決勝レース。ポール発進のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)と、2番手発進の中嶋一貴(トムス・トヨタ)、かつて全日本F3時代に好敵手だった両者がスタート直後に激しく競り合い、1コーナーでややアウト側へとはらんでしまう。

このシーンをオリベイラはこう振り返る。「ほぼ互角のスタートだった。(短距離戦だけに)あそこでリードを許すわけにはいかないと思っていたよ。僕たちが少しワイドなコーナリングになったことで、石浦にチャンスが生まれたようだね」。

オリベイラは首位をキープできたが、一貴は石浦宏明(キグナススノコ・トヨタ)に間隙を突かれるかたちで3位に後退。結局、このあと上位3車のポジションは動かず、オリベイラが22周のスプリント決戦を制して、JAF GP/Fニッポン部門を獲得した。

昨年はシリーズ王者に輝きながら、今季のシリーズ戦ではランク3位に終わっていたオリベイラ。「マシンのバランス取りに苦しむことが多かった年だけど、最後にこういうかたちで終われてよかったと思う」と、この一年を総括している。

続いてGT300の決勝第2レース。前日の第1レースとのポイント合算によりJAF GPの行方が決まるが、第1レースの覇者、初音ミク・グッドスマイルBMWは、この日は12番スタート。

しかし、やはり直線が速いこのマシンにとって富士は我が庭とも言えるコースだった。番場琢は圧巻の追い上げを見せて、7周目にはトップ浮上。前日の谷口信輝の勝利と合わせ、連勝でJAF GP/GT300部門を獲得した。これで谷口&番場は、シリーズ戦のタイトルを含めての“今季2冠”を達成だ。

「予選は自分のタイヤ選択ミスでしたから、今日は絶対勝ってやる、と思って臨みました。嬉しいです」と言う番場を、いつもは優しくも手厳しい谷口が「100点のレースでした」と賞賛。まさに「最高な1年」(番場)の有終の美となった。

最後はGT500の決勝第2レース。4番グリッドから素晴らしいスタートを見せた伊沢拓也(RAYBRIG HSV-010/ホンダ)が優勝を飾るが、前日のウイナーであるS Road MOLA GT-Rの柳田真孝がしっかり2位でゴールし、総合で競うJAF GP/GT500部門は柳田&ロニー・クインタレッリが獲得。

GT500初年度のチームながら、既にシリーズタイトルを獲得するなど素晴らしいシーズンを過ごしてきた彼らだが、今大会にも「集大成にするつもりでサーキットに入りました」(大駅俊臣監督)と、チーム全体が気持ちを緩めることなく臨戦、そして見事にJAF GPも獲得したのであった。

賞金の使い道については、新婚の柳田は「先日の結婚式でちょっと費用が……」と、その補填に充てる旨を披露。一方のクインタレッリは、なぜか「ボクは新しい布団を買うって決めている」と、得意の日本語で宣言?

サポートレースとして開催された、往年の名選手たちがホンダ『CR-Z』で戦う「ENEOS SUSTINA レジェンドカップ」は、日本の元祖・天才、長谷見昌弘さんが優勝。また、今大会の参戦全ドライバーを出身地で東西両軍に分けての「東西対抗戦」は、762点対628点で、本山哲をキャプテン、織戸学を応援団長とする東軍が、昨年に続いて勝利した。脇阪寿一キャプテンと谷口応援団長が率いた西軍にとっては残念な結果となっている。

来季もシーズン末の11月9〜11日に開催が予定されている富士スプリントカップ。真剣勝負でありながらも、シリーズ戦とは違った魅力を備えた、モータースポーツ界の紅白歌合戦的な性格のビッグイベントとしての定着、さらなる内容充実が期待される。

夕闇迫るコース上でのグランドフィナーレ。 Fニッポン決勝を制したオリベイラと、2位でフィニッシュした石浦(左端)。 Fニッポンのレース直後の表彰式。左から2位の石浦宏明、優勝オリベイラ、3位の中嶋一貴。賞金ボードを手に皆、笑顔? いくつかのチームのピットには、FニッポンマシンとSUPER GTマシンが同居する。 GT500の決勝第2レースで勝った伊沢拓也(左)と、GT300決勝第2レースを制した番場琢。 待機中のRAYBRIG HSV-010。伊沢のドライブでGT500決勝第2レースに勝利する。 GT300決勝第2レースを制した直後の初音ミク グッドスマイルBMW。 レジェンドカップ決勝の上位3人。右から優勝の長谷見昌弘さん、2位の高橋国光さん、3位の中嶋悟さん。 今年のレジェンドカップで使用されたホンダCR-Z。 SUPER GTマシンとFニッポンマシン、夢の邂逅が富士で2度目の実現を迎えた。 日曜のオープニングセレモニー。SUPER GTとFニッポンの参戦全車がグリッドに整列する様は壮観。 日本2大トップカテゴリー夢の競演だけに、パレードランではドライバー不足という事態も発生する。トムスSC430は“手押し”で退場。 Fニッポンの今季の主役たち。手前はトムス勢2騎、奥を走るのはオリベイラ。 ピットウォークのサイン会、やはりトムスの中嶋一貴とロッテラーは人気も上位。