アストンマーチン シグネット《撮影 宮崎壮人》

アストンマーチンの小型ラグジュアリーカー『シグネット』は、トヨタ『iQ』がベースとなっている。iQを選んだ理由として、同社チーフデザイナー Marek Reichman氏は、「シャシー性能の高さ、サイズ、高い安全性、プロポーション」を挙げる。

アストンマーチンはブランドの拡大にあたり、渋滞が多く道幅も狭い都市部でも積極的に選んでもらえる高級小型車が必要と考えた。ただ、他モデルと同様に一から新規設計をするとなると、開発期間に約4年、さらに小型車に見合うコストの範疇を超えてしまうため、他社からベース車を調達することを決定した。検討を重ねた上で、ブランドに見合う性能、そして「3mに収まるコンパクトなボディ」を持つiQに目をつけ、同社からトヨタに打診、シグネットの開発に至ったのだという。

Marek Reichman氏は、「iQは小さなボディながら4シーターであり、決して小ささを感じさせない。ハンドリング性能に優れ曲がりやすく、ローラースケートのような爽快な走行感覚を実現している。安全性能も極めて高く、シグネットのベースにふさわしいと考えた」とした上で、さらに「3mの小型車、というコンセプトを実現するにあたり、思い通りのデザインを実現しやすいプラットフォームだった」とその理由を語った。

シグネットの生産にあたっては、トヨタよりiQの完成車の供給を受け、ボディの外板や内装をばらし、手作業によってシグネットへとカスタマイズするという方法が取られている。作業に掛かる時間は1台あたり約150時間で、『DB9』などの2百数十時間と比べても遜色のない手の込みようだ。

シグネットとiQの共通部分は、ボディではルーフとリアフェンダーのみ。いっぽう、98psの1.3リットルエンジンほか駆動関係、足回りは、セッティングも含めiQそのままだ。ただし、アストンマーチンらしい高級感を手に入れるために、消音材を追加し静粛性を高めたほか、エンジンマウントも変え、静粛性と走りの質を高めているのだという。

Marek Reichman氏は、「都心部で活躍するシティコミューターとして生まれたシグネットに、ありあまるパワーは必要ない。ベースは他社のものだが、アストンマーチンの魂は、シグネットにも確かに息づいている」と仕上がりに自信をみせる。

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