会見の最後にさいたま市長清水氏とトヨタ副社長内山田氏の二人は、トヨタの燃料電池自動車FCHV-advに乗り込んで走り出した。《撮影 鈴木ケンイチ》

2011年10月27日、さいたま市市役所内でトヨタ自動車副社長の内山田竹志氏とさいたま市長の清水勇人氏は「E-KIZUNA Project」(イーキズナ・プロジェクト)の協定書を交わした。

「さいたま市さんのE-KIZUNA Projectは、単に次世代のクルマを普及するだけでなく、エネルギーセキュリティや市民の啓蒙、普及のための環境整備といった幅広い取り組みをなされています。将来のエネルギーセキュリティの観点から燃料電池車、水素エネルギーについても取り組んでいただける。まさに将来に向かっていろいろな可能性を総合的に考えているということで、今回、このプロジェクトに参加させていただきました」とトヨタの内山田氏は参加の趣旨を説明した。

E-KIZUNA Projectには、すでにホンダ、日産、三菱、富士重工業の4社が協定を締結しており、トヨタは5社目となる。そのため、トヨタは電気自動車(EV)ではなく、燃料電池車(FCV)をもってE-KIZUNA Projectに参加するというのだ。

「特に燃料電池車について、さいたま市さんとご相談をしながら計画を作っていこうと思っています。まだ何台くらいのクルマを走らせるかとか、そういったところまで計画は詰まっていません。これから一緒になって検討をさせていただくつもりです」と内山田氏。

「これまで電気自動車の場合でも、市の内部で使っていたり、カーシェアリングとして外部でという2通りの使い方があります。燃料電池自動車については、まだどちらでやるのかは決めてはいませんけれど、市民の皆様により燃料電池自動車を理解していただく方法を考えて利用したいと思っております」と清水氏も、計画決定は先だと説明する。

「このE-KIZUNA Projectで、すでに多くの電気自動車がさいたま市を導入したり、運用していますので、そういうものと比較したときの燃料電池車がどうなるか? というのを、ちょうど同じ土俵で比較できる良い場所ではないかと思っています」と、内山田氏は参加するメリットを説明した。

具体的な日程のカギとなるのは、さいたま市が2011年9月30日に国に申請した「次世代自動車・スマートエネルギー特区」だ。ここにはハイパーエネルギーステーションの普及が含まれている。

ハイパーエネルギーステーションはガソリンだけでなく、天然ガスや電気自動車用充電設備、水素供給設備などを複合的に備える施設であり、次世代自動車普及には欠かせないインフラとなる。これを、さいたま市内に合計100か所、そのうち4か所で水素を供給する。申請が認可された場合、ハイパーエネルギーステーションの完成は2013年度中。その完成の先に運用の開始が予定されるというのだ。

トヨタ、さいたま市でのFCVプロジェクト始動は2013年度から《撮影 鈴木ケンイチ》