富士経済は、国内の住宅のエネルギー需要動向調査を実施した。

調査は、需要家の争奪戦が繰り広げられている「オール電化住宅」と「ウィズガス住宅」の競合状況、創エネ・蓄エネ機器の普及状況、住宅向けのエネルギー機器の市場動向を今年5月〜9月にかけて調べ、結果を報告書「エネルギー需要家別マーケット調査要覧2011住宅分野編」にまとめた。

調査を結果をベースにした創エネ・蓄エネ機器普及動向によると、住宅向け太陽光発電は、2010年度の余剰電力買取制度の開始で2009年度の14.3万件から前年度比52.4%増の21.8万件と大きく伸びた。震災以降、唯一の自立運転が可能な創エネルギー機器として需要が増加しており、2011年度も市場の拡大が見込まれる。今後も補助金や余剰電力買取等の制度の継続により、安定した市場拡大を予測する。

エリア別では、住宅数が多く潜在マーケットが大きい関東・中部・関西や日射量が多い中国・九州で導入が進んでいる。住宅形態別には戸建住宅が多く、全体の70%弱が既築住宅への導入となっている。

また、2010年度時点で太陽光発電を設置している住宅90.7万戸のうち、オール電化を採用している住宅は55.8万戸となり、割合は約61.5%にまで達した。エリア別では太陽光発電の発電量が多く、太陽光+オール電化のセット導入による経済的メリットが得やすい中国・四国・九州エリアで70%前後と高い。一方で北海道・東北などでは40%以下のセット採用率となっている。

余剰電力買取制度の開始以降、太陽光発電を単体設置する事例が増加し、オール電化+太陽光発電の割合は減少している。震災後は単体設置の需要が一層増加しており、2011年度以降のセット割合はさらに下がる見通し。

ガス体(都市ガス・LPガスなど)事業者がオール電化対抗の切り札と位置付けてきたエネファーム(家庭用燃料電池)は、震災後に受注が急増しており、2010年度の市場規模が7400台で、2011年度は1万4600台を見込む。新機種投入と量産化によるコストダウンが進むことで、今後も順調な市場成長が見込まれる。2020年度は60万台を予測する。

住宅用蓄電池は、2010年度が65件だったのが2011年度に850件になる見通し。震災により停電時も電気が使用できる蓄電池の需要が急増したためで、ハウスメーカーと蓄電池メーカーが連携して住宅向け商品として蓄電池の展開を開始していることで市場の成長が見込まれる。

2012年度以降、リチウムイオン電池が住宅用蓄電池市場を牽引すると予測。2020年度には2万0120件の市場規模になると予測する。