トヨタのテクニカルショーケースに使われたレクサスLS600h

トヨタ自動車は、オーランドで開催中の第18回ITS世界会議において、テクニカルショーケースとして、日本では7月に公開されている「衝突回避支援PCS(Pre-collision System)」の体験走行コーナーを設置した。

トヨタ自動車は「交通死傷者ゼロ」の社会を目指し、事故そのものを起こしにくい車両の開発を進めている。今回、体験できたのは、夜間でも機能する「追突・歩行者事故対応支援PCS」。ミリ波レーダーとステレオカメラを搭載し、歩行者や前方車両などを認識。衝突の可能性があるとシステムが判断するとドライバーがブレーキを踏めない状態でも自動的にブレーキが作動して衝突回避を支援する。このシステムはヘッドランプ内に近赤外線投光器を搭載しており、昼夜いずれでも動作する特徴を持つ。

体験走行はコンベンションセンターの東側駐車場を特設会場にして開催された。車両にはトヨタが用意するドライバーと、テクニカルショーケース申込者3名が乗車。会場内で2回に渡ってPCSの効果を体験できた。車両が20マイル/h(32.2km/h)を少し上回る速度で歩行者に見立てた人形に近づいていくと、警告が車内に響き渡り、それでもドライバーがブレーキを踏まない状態でいると急ブレーキがかかり、2mほど手前で車両は停車。この間、車両のノーズが大きく下がり、シートベルトもロックされた。

こうした“ぶつからない技術”は他社でも実用化されており、トヨタはその分野で後れを取っているわけだが、路面状況にもよるが、ドライな路面なら他社よりも高い速度域の40km/h程度でも衝突を回避できるとしている。

なお、ブレーキに加えステアリングまで統合制御する「走路逸脱対応支援PCS」は用意されておらず、実用化の時期にはこの日も明らかにされることはなかった。

ブレーキを踏まない状態でも、歩行者に見立てた人形の手前で実験車は急停車することができた 障害物を発見すると車内には警告が響き渡り、メーター内にはウォーニングが高速で点滅。その直後、ブレーキがかかった ウィンドウ越しに見えるステレオカメラ。左右幅は30cm程度だ PCSの開発スケジュール。2006年にはLSに世界で始めて歩行者検知も可能なプリクラッシュセーフティシステムを搭載したことをさかんにアピールしていた