レーザー加工によってミラーに一1000兆分の1となるスリットを作り出し、ミラー内に必要な情報が映し出される。OFF時は普通のミラーにしか見えなくなる《撮影 会田肇》

アイシン精機グループの研究法人がIMRAで、米国と欧州に独立した法人として独自に研究開発を行ってきた。そのIMRAがそれぞれの得意分野を活かし、ITS世界会議の展示でもオリジナリティあふれる技術を公開していた。

IMRAアメリカは、世界最先端のフェムト(1000兆分の1)秒研究で知られ、それを活かしたレーザー技術は目の角膜手術で近眼に有効とされるレーシック手術にも活かされているものだ。患部に直接触れずに手術ができることで感染を未然に防ぐことができる。

ここではその技術を活かしてミラー内に微細なスリットを設け、ドライバーに伝えるべき情報を表示できるよう工夫されたものが出展された。昨年の釜山でも同じ技術が展示されたが、表示方法がより自然な形に見え、一歩進化したように見える。情報OFF時はまったく普通のミラーだが、各情報はきちんとミラー内に映し出される。これは微細なスリットに対しては人間の眼が馴染むようになる特性を利用しているからだという。

IMRAヨーロッパは映像処理技術を得意分野の一つとしており、ここでは3D化によって障害物の位置までも特定できるバックカメラを出展。映し出されたカメラは被写体の距離は5cmの精度で捉えることが可能だそうで、より具体的な障害物検知に役立つとしている。

米国では来年にもバックカメラを標準化する法規制が加わるとされており、同社によればその拡張技術として需要を見込んでいるという。

また、現在ドイツ郊外で実験されているのがカメラを使ったパーキングの満空情報システムだ。従来は、マグネットによるセンシングが一般的だが、これだと積雪地帯や大型のトレーラーなどに対しては対応しきれない。そこで、高い位置にカメラを設置し、これによって複数の駐車スペースに対して空き情報を捉えられるようにしている。コストが安い上に、対応力の広さがメリットになるという。

3Dカメラで捉えた映像は5cm単位の精度で距離を測ることが可能。より具体的な注意や制御をドライバーに与えることができる《撮影 会田肇》 パネル展示として、駐車場で設置したカメラを活用し、満空情報を駐車枠単位で捉えられるようにしたドイツでの実験を披露《撮影 会田肇》