NECは、マンガン系リチウムイオン二次電池の寿命を従来比2倍以上に向上する技術を開発したと発表した。

この技術は、新開発の添加剤を電池の構成要素である電解液に加え、従来のマンガン系正極/炭素負極の電極と組み合わせるもの。

この技術を利用して、容量3.7Ahの積層ラミネート電池(65Wh/kg)を試作、一般的な家庭のエネルギー消費パターンに基づいて寿命予測を行った結果、充電可能な容量が初期の70%に低下するまでの年数が従来の約5年から約13年に伸びた。同じく50%では約15年から約33年となり、2倍以上の長寿命化を実現した。

開発した電池技術は、家庭やビルへの設置など、より高い耐久性が要求される電力系統の安定化を目的とした大規模蓄電システムへの利用に適しているとしている。

同社は、安くて埋蔵量が豊富なマンガン系正極を用いたリチウムイオン二次電池を開発し、携帯機器や電動アシスト自転車などに適用してきた。しかし、高い耐久性が要求される定置用の蓄電池に用いた場合、繰り返し充放電を行うことで、電解液の溶媒が分解されて負極上に皮膜が形成され、正極のマンガンが除々に電解液へ溶出することなどから電池の抵抗が高くなり、容量が低下するなどの課題があった。

これまでマンガン系正極/炭素負極の電池は、電解液に添加剤を用いて耐久性を向上してきたものの、効果は不十分だった。今回開発した電池は、添加剤に独自の有機硫黄化合物を用いることで、一回の充放電で電極上へ強固な保護膜を形成し、溶媒の分解を抑制する。

開発した電解液の基礎評価を行なったところ、抵抗上昇を従来の半分以下、サイクル寿命を従来比1.5倍〜3倍とし、繰り返し充放電による容量の低下を大幅に抑えた。

また、試作した電池を使って耐久性評価実験を行ったところ、2万3500サイクル(連続4年以上)の充放電を行い初期容量の83%(25度環境下)を維持することも実証できた。