チームファイアボール(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》

「本田宗一郎杯Hondaエコ・マイレッジチャレンジ2011/第31回全国大会」で、3644.869kmを叩き出し、10年ぶりに最高燃費記録を塗り替えて最優秀賞の本田宗一郎杯を獲得したチームファイアボール。

一般クラスで2位の水曜クラブ(No.435)、3位のベイント(No.406)も、それぞれ美しいボディと凝ったレイアウトをもつ、こだわりのエコマシンだ。

それにしてもガソリン1リットルで3000km以上も走れるマシンと言うのは、どんな作りになっているのだろう。チームファイアボールのマシンの秘密に迫ってみた。

マシンを見てみると、ボディはシャーシも含めてカーボンファイバー製で、アンダーカウルはシャーシと一体となっており、アルミハニカムを使ったカーボンファイバーのセミモノコックとでも言うべき構造になっている。ホイールはスポークを使っているがリムまでカーボン製だ。

さぞかし軽いのでは、と訊ねてみるとおよそ30kgと言うから、出場しているマシンの中ではトップクラスの軽さ、というワケではない。中には20kgを切っているマシンもあるようだから、どちらかと言えばガッチリと作られた車体というイメージだ。

では、エンジンに秘密があるのだろうか。今回もエンジンに改良を加えてきたそうだが、ベースとなっているのは従来通りでホンダ製の50cc。しかもスーパーカブ用ではなく、リトルホンダというモペットのOHVエンジンだと言う。

もっともノーマルの部品を利用しているのはクランクケースくらいで、あとはすべて一から製作したと言う。それでもバルブ駆動はOHVのままで、行程も4サイクルのまま。このマシンを製作した長谷川さんは、特別なことは何もしておらず、エンジンや車体の効率を突き詰めているだけ、と語る。

それでも燃料と空気の混合比率、空燃比は18〜20対1とかなりの希薄燃焼を実現していると言うから、凄い。エコマイレッジ用のエンジンの場合、低負荷時という環境は存在しないから、この空燃比で加速していることを意味している。

ちなみにこれまで公式記録としては3000kmを超えたことはなかったそうだが、練習走行では3100kmをマークしたこともあったそうだ。1リットルを使い切るまで走るのではなく、一定距離(今回の全国大会の場合、オーバルのイン側を7周)を走って、消費した燃料から燃費を算出するので、コンディションの違いや僅かな操作の違いで700kmくらいは簡単に上下してしまうそうだ。今回はいい方向に700kmブレてくれたということになる。

しかし、それはもちろん偶然ではない。鈴鹿大会で優勝したチームから女子高生ドライバーをスカウトして、新しいドライバーとして迎えたのだ。身長149cm、体重39kgの小柄な女の子は、エコラン競技にはもってこいの体格だった。

しかも速度のチェックなどを簡素化して、運転に集中しやすい環境を整えるなど、サポート体制も万全。マシンとドライバー、そしてそれらを結ぶインターフェイスも進化させて挑んだ17回目の挑戦。大記録はこうして生まれたのだった。

水曜クラブ(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》 ベイント(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》 チームファイアボール(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》 チームファイアボール(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》 チームファイアボール(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》 チームファイアボール(ホンダエコマイレッジ11)《撮影 高根英幸》