今年6月に大阪府茨木市内の名神高速道路で発生し、2人が死亡した多重衝突事故について、大阪地検は3日、事故を起こした運転者に過重な労働を命じていたとして、法人としての運送会社と、営業所長ら2人を道路交通法違反(過労運転下命)罪で起訴した。

問題の事故は2011年6月13日の午前11時ごろ発生している。茨木市穂積台の名神高速道路上り線・吹田ジャンクション付近で、渋滞中の車列に対して後方から進行してきた大型トラックが追突。前方の5台を巻き込み、車両6台が関係する多重衝突に発展した。事故に巻き込まれた車両のうち5台が炎上。大破したクルマに閉じ込められ、脱出できなかった2人が焼死。他の車両に乗っていた3人が骨折や打撲などで重軽傷を負った。

警察は追突してきたトラックを運転していた42歳の男を自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕したが、男は「居眠り運転をしていた」と供述。勤務する運送会社の家宅捜索を実施し、勤務実態について調べを進めていた。

その結果、逮捕された男は勤務する営業所を毎週日曜に出発。金曜日に戻るまでの間、車中でわずかな仮眠を取る以外はずっと運転を続け、1日あたり約700km走行していたことが判明。荷主からは会社に対して「運転者の疲労が激しいようだ」という指摘もあったが、こうした勤務体制を今年4月24日から事故当日の6月13日までの7週間に渡って行っていたこともわかった。

検察では「営業所の上層部は運転者の過労状態を把握していた」と判断。法人としての運送会社と、47歳の営業所長職の男、40歳の主任職の男を道交法違反(過労運転の下命)罪で起訴した。運転者についても同法違反(過労運転)罪で追起訴している。