ハローキティ 7V型WVGAフルセグナビ・KTN1000F。店頭予想価格は6万4800円前後を予定

サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」を象ったカーナビが登場した。フルセグ地デジチューナーを内蔵した車載TVにゼンリンデータコム製ナビアプリを組み合わせたもので、販売はカー用品を幅広く手掛けるセイワが手掛ける。その能力をチェックした。

正直言って、このナビの性格上、性能を云々言って使うべきモノではないことは承知している。とはいえ、価格は実売で6万4800円と、ジャイロ機能付き上級ポータブル型ナビと同じ価格帯にある。ナビとして、あるいは車載用地デジTVとして使った場合、その実力はどの程度なのか知っておきたいと思う人も少なくないはず。その辺りを考慮し、あえて他のナビと同様なチェックを行ってみることにした。

今回のテストにあたっては、ターゲット層を意識してダイハツ『ミラココア』に装着。ポータブル型ナビと同様にダッシュボードの上に取り付けた。本体はハローキティの顔を象ったデザインで、耳やリボンなども正確に再現。起動時は寝ていたキティが目を覚ますといった演出も行われている。ただ、ダッシュボード上に取り付けた印象は「とにかく巨大」ってこと。軽自動車の多くは車室内を広げるためにフロントウィンドウが立ち気味になっており、そのためルームミラーとのすき間さえもわずかとなってしまう。視界を確保するという意味では、むしろ大型のミニバンとかに装着した方がバランスはいいのかも知れない。

モニターは7型WVGAパネルを採用し、地デジは2チューナー×2アンテナを採用。アンテナ自体は内蔵型ではなく、付属のフィルムアンテナを組み合わせて利用する。また、バッテリーを内蔵していないこともあり、車載から取り外してポータブルTVとして使うことはできない。ただ、セイワ・技術部の真壁彰信氏によれば「外部接続のロッド型アンテナや室内アンテナ用変換ケーブル、ACアダプターを別売品として販売する準備を進めている」という。本体にはSDカードスロット(SDHC・32GBまで)を用意しており、音楽(MP3/WMA/AACなど)や動画(DivX、WMVなど)、静止画データなどが再生可能。ミニB-CASも採用する。

ナビ機能はゼンリンデータコムが提供する「いつもNAVI」がベース。アイコンや自車マークをキティに置き換え、音声案内も新たに“キティ声”で録音。目的地を設定すると「ルート案内を開始します! 実際の交通規制に従って走行して下さい」と、本来なら事務的な音声案内が見事“キティ声”でガイドされる。しかも、右左折の案内は「ぽーん、間もなく右方向です」と、“ぽーん”まですべて“キティ声”でガイドされるのだ。これにはハローキティに興味がない人でも顔がほころんでしまうだろう。

「データ自体は6GB弱あり、それを入れるために8GBフラッシュメモリーを用意しました(真壁氏)」というように、収録されているデータは一通り揃っている。ガイド中の交差点拡大図は一般的な拡大図だが、キティの自車マークが拡大図内を移動し、都市高速の入口ガイドも用意。市街地図の収録エリアもかなり広いようで、具体的なエリア数は明らかではないが、市政レベルの地方都市は大半を収録しているようだった。ただ、目的地検索のカテゴリーは一通り揃うが、駅や駐車場の出入り口情報には非対応。名称検索での曖昧検索に対応しているのに、細かなところで端折っているようだ。

測位方式はGPSだけに頼っているが、推測航法には対応しており、トンネル内に走行しても一定時間までは動作する。ただ、ビル街はともかく、高架下を走行すると動きが鈍くなり、位置が遅れて表示されるようになる。そこで向きを変えると、当たり前だが、GPS受信をするまで誤ったガイドとなってしまう。ただ、GPS信号を受信する際の復帰は速い。この辺りの実力は一般のGPSナビと同じレベルにあり、高層建築物が多い都市部よりも空が開けている郊外の方が安定して利用できるようだ。

地デジの画質は思ったよりも良かった。モニターの視野角も広めで、画面サイズの大きさとも相まって車内のどこからでも映像をしっかり見ることができる。コントラストもしっかりしており、昼間の視聴でも鮮明に見ることができた。受信モードは12セグとワンセグの自動切替、12セグ固定、ワンセグ固定の3モードを用意。12セグからワンセグへの自動切替では数秒程度フリーズしてワンセグへと切り替わる。受信感度は飛び抜けて高いとは言えないが、ワンセグの受信エリアはかなり広く、安定度も高かった。また、音声はFMトランスミッターで飛ばすことができる。

スマートフォンの登場で、ポータブル型ナビの人気もやや陰りが見えてきた。そんな中で新たな需要層を掘り起こそうと企画されたのがこの“キャラ・ナビ”だ。音声案内に人気タレントを使ったりすることで、「爆発的」とまではいかないまでも一定のユーザー層には支持されているのも確かだ。今後もこうした流れがカーナビ界に加速していく可能性は充分ある。

付属のワイヤレスリモコン。ハローキティのリボンの形状を象ったデザインを採用。モード切替も含む一通りの操作ができる 本体の背面にはアンテナの端子や外部GPSアンテナ端子、ステレオスピーカーを備える ミラココアに取り付けた状態。フロントウィンドウの小さい軽自動車ではかなり大きく感じる メインメニュー。この画面で地デジや音楽再生などの機能切り替えが可能。ナビ画面からもメインメニューの表示はできる ハローキティのキャラクター全開を感じさせるナビのメニュー。各アイコンをタッチするとキティの顔表示に切り替わる カレンダーから目的地として設定した履歴が探せる便利な機能を装備 交差点では拡大図は150m手前から表示。交差点名表示は行うが、読み上げは行わない 首都高速の入口案内。CGでのガイドは高速道路の分岐点でも行われる 地デジの自動12セグ/ワンセグ受信モード。画面にタッチすると全画面表示に切り替わる。データ放送には非対応