シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》

GMジャパンが新しく導入した『キャプティバ』は韓国製。なので韓国車かと言うと、必ずしもそうではない。

デザインは北米と韓国、パワートレーンは北米と豪州、技術開発は北米と欧州と韓国、足回りのチューニングは主に欧州といった具合に、世界のGMグループの総力をあげて開発されたクルマだからだ。

生産も、日本向けは近くの韓国で作られたクルマが輸入されるが、ほかに、ロシア、中国、タイ、エジプトなどで生産され、世界中で販売される。これまでの常識や基準にあてはまらないワールドカーといえる。

ボディは見るからにSUVらしいボディだが、室内には3列シートが配置されていて、ミニバン感覚の使い勝手も実現する。日本車でいえば、トヨタ『ヴァンガード』に近い。

ボディサイズはヴァンガードよりはやや大きいが、ほぼ同等のミッドサイズのSUVボディで、搭載エンジンが2.4リットルという点も共通している。

デザインは中央に大きなボウタイのエンブレムを配したシボレー顔。ひと目でシボレーブランド車であることが分かる。インテリアはSUVらしい機能性などが表現されている。

室内空間はフロントシートはともかく、2〜3列目の後席は特に広いとはいえない。でも大人が乗って窮屈さを感じるような狭さではなく、2列目のシートを折り畳んで乗り込む3列目シートへの乗降性も悪くない。十分に合理的なパッケージングだ。

3列目のシートを使った状態ではラゲッジスペースは小さくなるので、通常は3列目のシートを倒した状態で使う人が多いだろう。2列目のシートも倒し、さらに助手席の背もたれも倒せば、圧倒的な空間が生まれる。

車両重量はちょっと重くて1850kg。2.4リットルエンジンでどうかとも思ったが、走り始めたら何の不満も感じない。123kW/230N・mのパワー&トルクは十分にボディに見合っている。低速域のトルク感が確保されているのが好印象だ。

電子制御6速ATの変速フィールも上々だし、必要に応じて後輪に駆動力が配分される電子制御4WDである点も良い。ふだんは4WDであることを意識しないで乗れる。

足回りはやや硬めでかなりしっかりした印象。乗った後でヨーロッパでチューンされたと聞いて、なるほどと思った。高めのアイポイントを確保しながら妙な揺すられ感を感じさせないのはさすがといった感じだ。

横滑り防止装置のESCやSUVに必須の装備になりつつあるヒルデセントコントロールなどを標準装備することを考えると、345万円の価格は納得モノ。国産車のヴァンガードに比べたらやや高いものの、フォルクスワーゲンの『ティグアン』よりもやや安く、ルノーの『コレオス』とほぼ同等だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》 シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》 シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》 シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》 シボレー・キャプティバ 《撮影 松下宏》