駅が閉鎖され、地上で途方にくれる人々(3月11日・東京新宿駅) 《撮影 中島みなみ》

JR東日本の石司次男副社長は20日、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の席上で、3月11日の東日本大震災発生直後の同社の対応に「2つの大きな問題があった」と語った。その課題とは「運行と駅のシャッターだ」という。

震災当日の同社は、夕方から全線で運行を停止し、終日見合わせると同時に、主要駅のシャッターを下ろして、駅を閉鎖した。他の私鉄がその日のうちに復旧、その後も、終夜運転で運行を続けたのとは対象的な対応だった。

このことについて石司氏は「運行(の再開)は安全の問題があるが、復旧の仕方、優先順位の付け方、効果的な要員の配置の仕方など、まだまだ改善すべき点がある」と、省みた。

「当日我々が恐れたのは、お客様がホームに降りると線路の上を歩かれる、これが非常に危険。それと駅のコンコースの中は、必ずしも安全とは言えないという判断があったので、具体的にどういうふうに使いいただけるようになるのか、事前に準備、それなりの体制をきちんととっておかないとできないという問題がある」と、駅を閉鎖した理由が不測の事態の防止にあったと釈明。

「お客様にたいへんご迷惑をかけたという認識のもと、我々として何をすべきか、何ができるかという基本的なスタンスで勉強させていただき、実行策を検討していきたい」と、謝罪した。

6月23日に、同社は大規模災害に備えて主要駅に飲料水、毛布、医薬品などを備蓄し、帰宅困難者を受け入れる方針を発表している。

ただ、その一方で、主要駅では、各方面に向かう複数の線区があるため、特定の路線だけが再開できることになっても、駅の出入口を解放すると、そのほかの利用客も合わせて入場することになる。線区を区切ることのできる位置にシャッターを取り付けるなど施設の構造を変えるなどの準備に時間が必要であることも明かした。

「例えば、新宿駅でいうといろんな線区があるので、埼京線だけを動かすということになると、埼京線をご利用になるお客様だけを対象にしてということになるので、ご誘導に事前の準備とかしておかないと、かえって混乱をまねくので、例えばシャッターの位置など具体的に対策をとっていきたいと思う」(石司氏)

これに対して、座長の猪瀬直樹東京都副知事は「JR東日本の問題はけっこう沸点が高いから、相当きちっとした反省材料を出してもらわないと納得いかないと思う」と、今後公表される予定の同社の震災時の対応報告書について、内容の充実を求めた。