東京商工リサーチは、2011年1〜8月に「返済猶予」を利用した企業の倒産動向を調査してまとめた。

それによると中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予を利用したにもかかわらず、倒産したケースが7月、8月と急増し、1〜8月の累計件数が前年同期の3.5倍に急増した。

また、3月に取扱いを終了した「景気対応緊急保証制度」の利用した企業の倒産も、前年同期の約2倍に増加し、金融支援の政策効果が薄れつつあることを示している。

今年1〜8月に中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予利用後の倒産件数は、前年同期比250.0%増の84件となり、前年同期の24件から急増している。9月もすでに6件発生しており、9月14日現在で累計90件に達した。これらの負債総額は同286.6%増の656億8800万円にのぼった。負債10億円以上の大型倒産が14件と約3倍に増えたため。

産業別では、建設業が27件で最多。構成比は32.1%となった。次いで多かったのが卸売業の21件で、製造業14件、サービス業他8件、小売業7件、運輸業5件の順。

円滑化法に基づく返済猶予を利用した企業で、東日本大震災による取引先の被災や資材・商品不足、消費自粛による売上減少などが影響した「震災関連」倒産は17件発生している。特に7月、8月と円滑化法に基づく返済猶予を利用した企業の震災関連倒産が増加、震災の影響が業績回復の足かせとなっている。

形態別では、破産が41件で約半数を占めた。次に銀行取引停止処分が30件、民事再生法12件、特別清算1件。原因別では、販売不振が53件で最多だった。

一方、2008年10月31日から円滑化法に基く返済猶予と並ぶ中小企業の金融支援策として景気対応緊急保証制度がスタートした。保証枠は30兆円から36兆円に拡充し、今年3月で取扱いを終了した。しかし、今年1月〜8月に景気対応緊急保証制度を利用した企業の倒産は、前年同期比72.9%増の83件と増加が目立つ。9月もすでに7件発生し、9月14日現在で累計90件に達した。