帝国データバンクは、中小企業金融円滑化法を利用して、返済猶予を受けた企業の動向調査を実施し、その結果を発表した。

同法を利用して、返済猶予を受けながら、後に倒産した企業数は、2011年1月から8月の累計で、101件判明。負債総額は732億3900万円。

2009年12月の法律施行から1年以上が経ち、資金繰りの下支え効果も薄れる中、倒産件数は、昨年1年間の23件から大幅に増加した。

倒産原因別では、「販売不振」が79.2%。返済猶予期間中に、業績を回復できずに行き詰まる企業が目立つ。

倒産態様別では、「破産」が全体の82.2%。一方、事業継続を前提とする「民事再生法」も17.8%となっている。

同法は、リーマン・ショック後の中小企業の資金繰りを支援するため、2009年12月に施行。これをを利用して、金融機関に借入金の返済条件変更を要請し、資金繰り破綻を回避した企業は少なくない。しかし、施行から1年が経過した2011年に入り、返済猶予を受けたにもかかわらず、猶予期間中に業績を回復できないまま倒産する企業がここにきて相次いでいる。

円高、震災、原料高など、企業を取り巻く環境は厳しさを増している。金融機関に提出した「実抜計画」の達成も容易ではない。金融庁の監督指針もあり、金融機関の対応は今後これまで以上に厳しくなることが予想される。

資金繰りの下支え効果も薄れるなか、同法利用後の企業倒産はこれから年末、年度末にかけてもさらに増えていく可能性が高い。