宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は、「H-IIA」ロケット19号機(情報収集衛星光学4号機)の射場整備作業期間中に、「指令破壊受信機(CDR)の電子部品の使い方に誤りがある」という設計不良が確認されたため、打上げ延期を決定した。

7〜8月に行われた新規開発中の搭載機器の機能試験、H-IIAロケット19号機のCDRの機能点検において、電子回路の設計不良に起因する不適合が発生し、回路の修正を行うなどの処置を完了した。

不適合は、高集積回路の周辺回路が部品メーカの定めた使用条件を逸脱していることが原因の設計不良。19号機の搭載電子機器に対して各々に類似した問題が内在していないかを確認するようJAXAから各機器メーカに対して指示した。機器メーカによる確認作業の結果、フライトに影響を及ぼすような問題となる事項は認められなかった。

さらに万全を期すためJAXA、三菱重工はCDRなどの全ての集積回路について再度確認を行ったところCDR演算チップ周辺回路に、前回の検査で抽出されなかった部品の使用条件を逸脱する設計不良が確認された。

設計不良は演算チップのある特定のピンについて、グランドに接続するよう使用条件に定められていたが、製造図面などに反映されていなかった。このために予期せぬ動作が起こる可能性があり、演算チップ周辺回路の設計不良についても対応を行う必要があることから打上げを延期した。

問題のピンは、部品メーカの使用条件に従って接続し、単体試験を実施。その後、JAXA、三菱重工、機器メーカによる改修後データ確認会を実施し、19号機の機体に搭載した。搭載状態で点検を実施し、機体全体としての健全性を確認した。

さらに設計不良を踏まえて全電子機器の全集積回路について徹底的な再点検を行った結果、軽微な逸脱事項が確認されたが、フライトに影響を及ぼすような問題となる事象は発見されなかった。JAXA、三菱重工による確認会を実施し、H-IIAロケット19号機の打上げ作業が再開できると判断している。

今後、基幹ロケットの機器メーカ、打上げ事業者、JAXAが適切に連携して打上げに臨み、特に重要な機器へ波及する可能性のある不適合が生じた場合には、臨機応変に相互チェックするなどの万全の体制で対応するとしている。