X線異物検査装置プロトタイプ

セイコーインスツルの子会社、エスアイアイ・ナノテクノロジー(SIIナノテク)は30日、リチウムイオン二次電池などの電極中に混入する微小な金属異物を高速で検出。元素分析も自動で行う検査装置の開発に成功したと発表した。

リチウムイオン二次電池や燃料電池への金属異物の混入は、電池の寿命を低下させる大きな要因となる。特にリチウムイオン二次電池では発熱の原因となり、最悪の場合は発火につながる可能性もある。近年、電気自動車・ハイブリッド自動車および住宅用への採用に伴う電池の大型化により、金属異物の混入を防止する重要度は増している。

従来の異物検査は、不良電池を解体し、X線透過検査装置や顕微鏡によって金属異物を検出。走査電子顕微鏡などで対象となる元素を特定し、混入経路を推測する故障解析が行われてきた。しかし、これらの手法では50μm以下の金属異物の検出は困難であり、検出時間の長期化といった問題を抱えていた。

今回SIIナノテクでは、X線透過による金属異物の検出と、蛍光X線による元素分析の2つの技術を融合。20μm程度の微小な金属異物も検出・分析可能なX線異物検査装置を世界で初めて開発した。

同装置に試料となる電極板やセパレータ、容器に入れた活物質をセットして、検査手順の選択後、測定を開始するだけで、X線透過像の撮像から、金属異物の検出、その元素分析までを自動で実行する。

そして解析結果として、試料中の金属異物の個数と個々の異物の組成、およそのサイズ、顕微鏡観察像が出力される。これらは前処理不要、完全自動なので、誰でも簡単に故障解析・抜き取り検査が実施できる。

同社では、同試作機を「分析展/科学機器展2011」(9月7〜9日、幕張メッセ)に出品。製品化を目指す。