新型アベンシス 欧州テイスト溢れるスタイリング。

トヨタ『アベンシス』と言えば、トヨタの欧州拠点で企画、デザイン、生産する、欧州におけるトヨタのフラッグシップモデル。

ボディは全長4785×全幅1745×全高1480mmと、全高の低さが際立った、日本の路上でも使いやすいサイズ。エンジンは2リットル、152psのみ。ミッションは7速シーケンシャルシフトマチック(パドルシフト)付きCVTである。

前席はシート座面の長さが特徴的。欧州の大型セダン/ワゴンでも500mm程度だが、アベンシスは何と540mmもある。座面が長いと長時間の着座でも疲れにくいとも言えるのだ。後席も十分なスペースがある。身長172cmのドライバー基準で頭上に150mm、膝回りに190mmと、とくに膝回り空間に余裕あり。フロアは完全フラットで足元の自由度も高い。

注目の荷室はフロア高615mm、奥行き1110〜1920mm(後席格納時)、幅980〜1550mm、高さ765mmと広大。長いバケーションを過ごす欧州ユーザーの使い勝手に照準を合わせている。しかもこの荷室、大型犬などのペットを乗せるにも最高だ。フロアが低く、開口部からフロアへの段差がないためペットの乗降は容易。走行中のフロア振動も少ない。

さらにフロアの床下ほぼ全面が(蓋は4か所)収納(深さ65〜100mm)になっていて、ペットを乗せていても小物などの収納が可能と便利。キャビンと荷室を仕切る、荷室に乗ったペットの安全装備とも言えるネットパーテーションも標準装備される。

走りは素晴らしいの一言だ。2リットルエンジンとはいえCVTとのマッチングが良く、出足からアクセルレスポンス良く軽快に発進、加速する。エンジンはスムーズで、パワステの操舵フィールも滑らかそのもの。100km/h巡航時のエンジン回転数は1750回転と低く車内はごく静か。とても上質で気持ちいい走りを味合わせてくれるのだ。乗り心地は先代の硬めのタッチから一転、しっかり感としなやかさを見事に両立。あくまでもフラットで姿勢変化は最小限。フットワークもまた軽快そのもの。ステアリングを切ると間髪を入れずにスッとノーズが向きを変え、意外なほどキビキビした走りを楽しめる。カーブ、山道などでの操縦安定性も惚れ惚れさせられるほどで、飛ばすほどに人車一体感が強調される。なるほど、欧州のアウトバーンや山道で走りを鍛えただけのことはある。

それで価格は250万円。欧州基準の安全装備の充実ぶりなども含め、これはもう破格と言ってもいいほどだ。国産車では今や数少なくなったワゴンだが、ペットフレンドリー度の高さを含め、このクラスの上質、スポーティな本格ワゴンを待ち望んでいた人にはピッタリだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。オーディオ評論、ペット(犬)、海外旅行関連のウェブサイトも手がける。

伸びやかなルーフライン。全高は1480mmと低く、立体駐車場の入庫も容易。 バッドアはデザイン重視でやや寝ているものの、容量は欧州ワゴン基準。 右ハンドル仕様だが、ウインカーが左、ワイパーレバーが右と、国産車の逆配置。最初は戸惑う。 デザイン性に優れたシート。前席座面長は実測540mmと異例に長く、たっぷりしたサイズを奢る。 後席フロアはフラットで、頭上、膝回り方向ともにゆったり。ただし、シアター度はなく、やや沈み込んだ、落ちつき感ある居住性だ。 高級感ある荷室。フロアの下ほぼ全面が収納になっている。ネットパーテーションも標準。 荷室は大型犬ならスッと飛び乗れる地上615mmの高さ。フロアもゆったり。クレートなどを固定するフックは4カ所。 右ハンドルなのにウインカーは左側に。なるほど、英国生産車だ。 7速CVTはこのパドルシフトで操れる。下手にブレーキを踏むよりショックなしに速度コントロールでき、後席、荷室に乗ったペットにも優しい。 メーターは240km/hスケール。オレンジのメーター色、照明はちょっと安っぽい。 床下収納は荷室左右、手前、奥の4カ所。深さは浅い(65〜100mm)ものの、使い勝手はいい。