新型デミオは全車、マツダの新しい顔つきに変わった《撮影 青山尚暉》

新型『デミオ』はSKYACTIV第一弾として、非HVで10・15モード燃費30.0km/リットルの燃費を実現したことばかりが注目されているが、ボクが試乗してまず感動したのは乗り心地の良さだった。

従来モデルは欧州風味ある硬めでシャキッとした乗り味が特徴だったが、それを基本により上質に、スムーズになっていたのだ。たとえばライバル車の『フィット』シリーズの中でもっとも乗り心地がいい(フィットシャトルHVを除く)フィットHVの乗り心地が、荒れた路面ではドタバタ感と感じられるほど。とにかくフラットで快適。ふたクラス上の上質感がある。

そして『プレマシー』以降、マツダが推進している「Gのつながりのスムーズさ」もまた生かされている。従来モデルはアクセルを踏むとグイッと前に出て、ステアリングを切ると間髪を入れずにグイッと曲がったものだが、ラフに操作するとギクシャクした運転になりがちだった。しかし新型はそのあたりのクルマの動きがグーンと穏やかになり、ずっと大人っぽい走りが演出されている。乗り心地のしっかり快適な味わいと合わせて、ドイツ車っぽい、とも言えるだろう。

静粛性も素晴らしい。エンジンは5000回転まで回してもまったく耳障りじゃなく、また「ヨコハマ・アスペック・ブルーアース」タイヤのロードノイズもまったく気にならない。フィットHVのロードノイズがゴーゴーと気になる場面、路面でも、である。もちろん、アイドリングストップ付きだから、停車中も静かだ。

「i-DM」(インテリジェントドライブマスター)と呼ばれる運転支援機能、カラー液晶表示にも唸らされた。「やさしい運転」「しなやかな運転」「体が揺れる運転」をグリーン、ブルー、ホワイトランプで教えてくれるのだが、ただのエコ支援機能にとどまらない。「やさしい運転」のグリーンランプは山道の登りでアクセルを深く踏み込んでも点灯。許容ゾーンが広く、ただゆっくり走る運転を評価するわけじゃない。

「しなやかな運転」はハイペースでもステアリング操作、ブレーキングがスムーズかつ滑らかで、Gのつながりがよければ、ちゃんと評価!?してくれるからさすがマツダ車らしい。最後に「今回のスコア」が5点満点で表示され、高得点を続けると次のステージに進めるというお楽しみ付きなのだ。つまり、徹底したエコ支援ではなく、運転が上手くなれるような仕掛けなのだから楽しい。

もっともパッケージは前席優先。後席の居住性、乗降性、荷室の広さ、アレンジ性などは、たとえばフィットにリードされ、一家に一台のファーストカーにはなりにくいが、セカンドカー需要ならもう最高のコンパクトカーと言っていい。ペットを乗せる場合は後席スペースに限られるが、シートの座面長が比較的たっぷりしていて乗せやすい。

ちなみに140万円からの価格だが、ベースグレードは法人向け。実質的には145万円になるSKYACTIVパッケージ1(運転席シートリフター)、リヤ3面ダークガラス、後席中央席3点式シートベルト&ヘッドレスト、ドアミラーウインカーなど9点)付きになる。それでもフィットHVの中間グレードより27万円安いのだから文句ない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。オーディオ評論、ペット(犬)、海外旅行関連のウェブサイトも手がける。

ライバルより短めの全長、前席優先のショーティなパッケージが特徴《撮影 青山尚暉》 SKYACTIVグレードのみ、エンジンカバーがSKY色になる《撮影 青山尚暉》 インパネデザインは従来モデル同様だが、メーター回りは新しい《撮影 青山尚暉》 これがi-DMのカラー液晶ディスプレイ。様々な評価を行う《撮影 青山尚暉》 ひと目で新型と分かる顔つき《撮影 青山尚暉》 6:4分割式の後席はパッケージOP《撮影 青山尚暉》 後席中央席のヘッドレスト、3点式シートベルトはパッケージOP《撮影 青山尚暉》 ドアミラーウインカーもパッケージOP・全9点で5万円《撮影 青山尚暉》