富士経済は、2011年4〜6月に2008年以降の世界の熱可塑性エラストマーと合成ゴムの需要動向を調査を実施、熱可塑性エラストマー16種と、競合または棲み分け関係の合成ゴム12種についての報告書「2011年高機能エラストマー&コンパウンドのグローバル展開」にまとめた。

熱可塑性エラストマーと合成ゴムは、自動車を中心に電機、建築・土木資材、日用品、医療器具などさまざまな製品分野で利用され、経済の成長とともに拡大してきた。新興国の旺盛な需要に加え、日本や欧米でも景気刺激策や前年の反動により自動車や電機製品を中心に回復、2010年には2008年の需要を上回った。今後は各種産業の生産拠点集積や経済成長とともに需要が拡大する中国をはじめ、アジアの新興国が市場を牽引すると見られる。

また、地球温暖化や世界経済の成長に伴う資源の枯渇問題から、省エネや省資源製品が求められ、自動車の低燃費タイヤ用S-SBRや、リサイクル性に優れた熱可塑性エラストマーのニーズが高まっている。

熱可塑性エラストマー、合成ゴムともに2008年のリーマンショック後、新興国を中心に各種産業が回復し始め、2010年には日本や欧米でも回復に転じて販売も2008年を上回る規模となった。中国やインド、東南アジアなどアジアの新興国の旺盛な需要が牽引し、2011年以降もこの需要は堅調に増加する見通し。

最大の利用先市場は自動車業界で、2010年の世界数量実績の52%を占めた。また、自動車向けの主要品目はスチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴムの2種で2010年の世界自動車分野向け供給実績の約70%を占めた。

熱可塑性エラストマーの2008年の販売数量は293万トン、1兆3325億円市場が2010年には309万t、1兆3884億円に拡大した。2015年には397万t、1兆8747億円を予想する。

各製造業の生産拠点が集積し、経済成長による内需拡大が続いている中国を中心にアジア地域で需要が旺盛だ。スチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマーなども中国や東南アジアで生産増強が計画されていることから、2010年から2015年にかけて数量ベースで年平均5%の成長が予測される。

合成ゴムは2008年が1065万t、3兆6989億円だったのが2010年に1136万t、4兆1412億円に市場が拡大した。2015年にはさらに1510万t、5兆5753億円の市場規模を予測する。

合成ゴムは、タイヤをはじめチューブやホース、ガスケット、シール材など自動車分野での需要が多く、中国で2009年も自動車の生産拡大が続き合成ゴムの需要を支えた。

中国などでの旺盛な需要に合成ゴムの生産が追い付かず需給がひっ迫、2009年の販売数量は微減となった。ただ、各種合成ゴムの供給能力が増強されており、2011年以降も2015年に向けて中国をはじめ新興国の需要が牽引し年平均6%の市場拡大が続くと予測する。