荷室フロアは高級感たっぷり。改良型は荷室の乗り心地まで良くなったと犬の評価は高い!?《撮影 青山尚暉》

2011年6月に改良されたスバルの新型『レガシィ』シリーズのハイライトはズバリ、高次元でバランスさせた乗り心地と操縦安定性の向上だと思う。

全体を見れば「アイサイト」のさらなる進化や足回りの熟成、魅力的な特別仕様車の追加など改良点は数多いのだが、やはり乗ってみてもっとも感動できるのが乗り心地だ。

新型の乗り心地はレガシィ史上もっとも大人っぽい、ほどほど硬めながら重厚でしなやかなしっとりしたタッチ。とくに路面の突起、段差、うねりを越えたときのいなし方、トレース感は素晴らしいの一言。ボディ、足回り全体の剛性の高さもあって、不快なショック、振動、揺すられ感などはほぼ皆無。

しかもカーブや高速レーンチェンジ、山道などではレガシィの名に恥じないハイレベルな操縦安定性を発揮してくれるのだから頼もしい。かつての「スポーツカーのお尻に荷室が付いたクルマ」というほどではないにしても、ただ乗り心地がいいだけのワゴンでは決してない。大人のスポーツワゴン、という表現が正しいだろう。

試乗した新型『レガシイツーリングワゴン 2.5i EyeSight』は実は、完ぺきなワゴンであると同時に、完ぺきなペットフレンドリーカーでもある。まずはすでに触れた、路面を問わない乗り心地の良さだが、これは運転席、助手席だけでなく、愛犬を乗せるであろう後席、荷室フロアも然り。その快適感は2クラス上の高級車に匹敵する。

つぎは意外かも知れないが、アイサイトである。“ぶつからないクルマ?”というキャッチフレーズの先進安全支援システムだが、運転中、後席などにペットや子供を乗せているとその様子が気になり、前方の注意が散漫になる一瞬がある。こうした瞬間にもアイサイトのステレオカメラは常に前方を監視。万一の際は警告チャイムを鳴らしたり、自動ブレーキをかけてくれたりして安全を確保してくれるのだ。

実際、私自身も後席に乗せた愛犬の様子に気を取られ、前を走る急ブレーキを踏んだトラックに追突しそうになったことがあり、その瞬間にアイサイトが警告、自動ブレーキをかけてくれたので危険を回避できた経験がある。ペットを乗せているクルマにこそ、アイサイトを薦めたい。

実はパドルシフトや、エンジンのパフォーマンスを3種類に切り替えられる「SIドライブ」もペットフレンドリーな機能だ。

パドルシフトは、ブレーキを踏まずにスピードコントロールできる点に注目で、流れに乗っているときの加減速をよりスムーズに行えるため、愛犬も安心快適。急な加減速をすると体を支えようと爪が出っぱなしになって疲れてしまうのだ。

愛犬とドライブする際に嬉しいのがSIドライブ。エンジン特性が穏やかになるI(インテリジェント)モードを選択すれば出足や中間加速が穏やかになり、前へ後ろへ揺すられにくい走りになる。燃費が良くなるのと同時に、愛犬にも優しくなるのである。

もちろん、フロア開口高が600mm弱と低く、広大かつ使いやすさ抜群の荷室空間、後席&荷室用のペット対応アクセサリーの豊富さもレガシィシリーズならでは。

最後に一言付け加えたいのは、ペットに優しいクルマは人間の使い勝手にも優れ、さらに多くの場合、幼児や高齢者にも優しいということだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。オーディオ評論、ペット(犬)、海外旅行関連のウェブサイトも手がける。

恒例の年次改良が施されたレガシィツーリングワゴン《撮影 青山尚暉》 現行型はシリーズ史上もっとも大人っぽく高級感あるスタイリングだ《撮影 青山尚暉》 全高は1535mm。立体駐車場に無理なく入れる高さ。伸びやかなルーフラインが美しい《撮影 青山尚暉》 高級感あるフロントマスクが現行型レガシィのキャラクターを象徴する《撮影 青山尚暉》 後席の乗り心地も抜群。写真の純正アクセサリーの「パートナーズマット」を敷くと後席回りの抜け毛汚れが低減。ジッパー付きで展開すると隣に人が乗ることも可能《撮影 青山尚暉》 後席用エアコン吹き出し口があるため(一部グレードを除く)、後席〜荷室回りに冷風が届く。ペットを乗せるなら装着グレードがいい《撮影 青山尚暉》 レガシィツーリングワゴンの荷室開口高は600mm弱と低く開口部に段差がないため、ペットの乗降も楽々快適《撮影 青山尚暉》 荷室フロア下には収納があり、愛犬を乗せていてもちょっとした愛犬グッズ、クルマ用小物を収納可《撮影 青山尚暉》