アウディA7《写真 宮崎壮人》

アウディの、いわゆる5ドアハッチバックサルーンは、この『A7スポーツバック』にしても、『A5スポーツバック』にしても、とにかく真横から見たカタチが素晴らしいと思う。そこからちょっとリアに回って眺めた、横9:後1くらいの佇まいにも惚れ惚れする。こういうクルマをすっと自然に選択できてしまう人って、いろんな意味で余裕がある人なんだろうなぁと想像する。羨ましい。

新しい『A6』の先駆けゆえ、その香りを求めて試乗したが、そんなことよりもアウディがいよいよ独自のライドテイストを確立し切ったということの方に、まずは目を見張った。軽妙洒脱なフットワーク。これは、他のどのブランドも、この手のサルーン界で実現していない味つけだと思う。電動パワーステアリングのフィールも、今、最もマトモ。 

正直にいうと、個人的にはこの新しい軽やかさは、あまり好きじゃない。適度にひっかかってくれた方が嬉しい。でも、それじゃ他と一緒という可能性がある。思い切って振ったテイストの方向性に、アウディの自信を感じる。

ここにきて、アウディの商品展開力は、他ブランドを圧倒する勢いである。問題は、これだけ揃ったラインナップを、今後、どう維持し拡販し進化させていくか。いろいろ出すのはまだしも簡単。販売の現場(および輸入元のバックアップ)が力を発揮する番だと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

アウディA7《撮影 宮崎壮人》 アウディA7《写真 宮崎壮人》 アウディA7《写真 宮崎壮人》 アウディA7《写真 宮崎壮人》 アウディA7《写真 宮崎壮人》