東芝は、車載用マイコンの新製品として自動車の機能安全規格「ISO26262」に対応した電子制御ユニット向け車載制御用マイコン2種類を発売する。機能安全規格に対応したマイコン市場は今後急速に伸びると考えられ、2015年度には1000億円に拡大する見通し。

新製品は電動パワーステアリング制御向けの『TMPM350FDTFG』と、ハイブリッド自動車・電気自動車の駆動用モーター制御向けの『TMPM354F10TFG』で、どちらも9月からサンプル出荷を開始。量産開始は2013年4月を予定する。

今年度中の発行が見込まれる「ISO26262」は車載電子制御ユニットを対象とした機能安全規格で、電子制御ユニットの中核部品であるマイコンに対して、一部の機能が故障しても安全に制御する「フェールセーフ」機能を搭載する必要がある。

同社の機能安全マイコンは、CPUコアに専用の監視回路を付加した「シングルコア型密結合方式」を採用。監視回路の一部にはイタリアのヨジテックの技術を導入した。

同方式は従来の「デュアルロックステップ方式」と比べて専用の監視回路の導入で、内部状態の故障が即時に検出でき、故障発生箇所を絞り込むことが可能となる。このため、最低限の機能を確保しながら動作を継続する「フェールオペレーショナル」が可能な電子制御システムへの組み込みに適している。

TMPM350FDTFGは独自のモーター制御回路、回転角センサー用の励磁信号出力回路、ADコンバータなどを内蔵。モーターからの外部信号入力精度を高め、出力信号の分解能を細かく設定することでより精密な制御が可能となる。電動パワーステアリングなどのアプリケーションに適している。

また、駆動用モーターの制御に用いるTMPM354F10TFGは、モーターの回転角センサー信号をデジタルデータに変換する「センサーインタフェイス回路」をデジタル回路化することで、面積を削減している。従来は励磁信号を使用する回転角センサーのみに対応していたが、新製品はセンサー入力信号に適切な補正を行うことで、励磁信号を使わない回転角センサーにも対応する機能を備え、汎用性を高めた。さらに、従来ソフトウェアで行っていたモーターのベクトル制御関連の基本的な処理を、ハードウェアで実行することでCPUへの負荷を50%以上削減している。

サンプル価格はTMPM350FDTFGが1000円、TMPM354F10TFGが1600円。