中嶋一貴(Fニッポン第2戦)

フォーミュラ・ニッポン第3戦(富士)をシリーズ首位で迎える“ルーキー”中嶋一貴が、序盤2戦の戦況を振り返りつつ、富士戦の抱負について語る。

「(第2戦で)優勝して、やっと帳消し、くらいの感じでしたね。それくらい、連続Q1落ちは深い心の傷でした(苦笑)」

トムス・トヨタからフォーミュラ・ニッポン初参戦を迎えた今季、なにしろ予選では開幕戦鈴鹿が14位、第2戦オートポリスが13位という予想外の成績。それを3位と優勝という結果に導いている原動力が、決勝で安定してハイペースラップを刻める能力である。これは父にしてライバルチームの監督である中嶋悟さん(ナカジマ・ホンダ)も認めるように、まさに“F1仕込み”の凄みと言えよう。

一貴本人も、「(父に)そう言ってもらえるのは嬉しいですし、自分がF1で最も成長できた部分だとも思います」と話す。それだけに「予選の方に課題がある」とも語っており、「チームとしてもどちらかというと予選に課題がある流れのようなので、タイヤの使い方を含めて、もっと詰めていきたい」。ただ、「出すべきタイムは出せるようになれる」手応えは感じており、第3戦富士以降の予選に関しては、厳しい接戦状況だけに楽観こそできないまでも「心配はしていません」と話す。

実はトムスは、昨年9月以降のフォーミュラ・ニッポンで、特別戦のJAF-GPを含めて直近8レースで6勝している。だが、昨年もシリーズ王座を獲得できたわけではないので、「そういう(常勝の)雰囲気はあまりないかな。チームとしても、やはりチャレンジャーの気持ちが強いと思います」と一貴は言う。しかし、いい流れにあることは間違いない。予選パフォーマンスが上がれば、トムスはシリーズの主導権を握ることができるはずだ。

今回は予選と決勝を1デイで行なうのだが、それ以上に意味をもってくるのが、金曜が公式テスト〜土曜はフリー走行と、2日間をセッティング確認に費やせる特別日程だろう。「“ルーキー”としては、いいですよね(笑)」

震災の影響等もあって、今季は各チームともドライコンディションでの走行量が不足気味。今季仕様のブリヂストンタイヤの特性をつかみ切れていないという共通課題を抱えているだけに、富士戦の予選決勝のみならず、シーズン中盤〜後半に向けて重要な2日間となることが予想される。

小暮卓史(ナカジマ)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)ら強豪の巻き返しも予想され、ルマン24時間耐久レースで優勝を成し遂げて戦列復帰の同僚アンドレ・ロッテラー(開幕戦優勝)もいる。3戦連続表彰台に向けては、「ピットイン2回が義務づけ(見込み)ですから、富士の場合、戦略的な幅が狭くなるかもしれない。そうなると、戦略で逆転することは難しくなる」だけに、一貴は予選で前を取ることの重要性を強調する。だから、「予選もたくさんの人に見てほしい」という言葉にも力がこもるのだ。

「見てもらえば、予選も決勝もきっと面白い。フォーミュラ・ニッポンは、間違いなくそういうレースです。直線では300km/h以上のスピードが出る富士で、ぜひ生の迫力を味わってください」。父のチームで走る弟・大祐との戦いにも注目が集まるなか、一貴は2連勝を目指して7月15〜17日(15日は公式テスト)の富士戦に臨む。

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