日立金属は7月11日、耐酸化性と強度を向上した固体酸化物形燃料電池(SOFC)用素材として金属インターコネクタ材を開発した。燃料電池の普及に向けて高性能素材を供給する。

燃料電池には複数の方式があり、特にSOFCは、燃料電池の中でも発電効率が約40〜60%と高く、発電の際に発生する熱も利用できるため、総合的に利用可能なエネルギー量が大きいのが特長。

このSOFCを構成する重要部品インターコネクタは、セル同士を電気的に接続する役割を持つ。材料に要求される特性は、作動温度での長時間の耐酸化性、良好な電導性、電解質に近い熱膨張係数がある。しかし、一般的なステンレス鋼では耐酸化性が不足し、耐酸化性の優れたNi基合金は熱膨張係数が大きく、アルミ添加合金では酸化被膜の導電性が不十分などの課題があった。

今回これらの要求特性を満たすインターコネクタ材として従来製品よりもさらに導電性、耐酸化性、強度を向上させた『ZMG232J3/ZMG232G10』の開発に成功した。

燃料電池の寿命の向上に貢献するほか、燃料電池の構造を長時間維持する。また、インターコネクタでの電圧の低下を低減し、発電特性の向上に貢献する。セルとセルとの積層を可能とし、電力負荷に追従した運転にも対応する。

ZMG232G10は特殊元素の添加により、ZMG232Lに対してSOFCセルの劣化の原因となるクロム蒸発をやや抑制した材料となる。

7月からサンプル出荷を開始する。2015年度に5億円、2020年度には50億円を売上げを見込んでいる。