今年2月に愛知県豊橋市内の東名高速道路で過労と居眠りを起因とする衝突事故を起こし、9人を死傷させたとして自動車運転過失致死傷罪に問われている24歳の男に対する判決公判が8日、名古屋地裁で開かれた。裁判所は被告に禁固5年4か月の実刑を命じている。

問題の事故は2011年2月15日の午後5時10分ごろ発生した。豊橋市賀茂町付近で東名高速道路下り線で、渋滞中の車列最後部にいたRVに対し、後ろから進行してきた中型トラックが約80km/hの速度を保ったまま追突。車両5台が関係する多重衝突に発展した。

追突によってRVは大破。後部座席に同乗していた17歳の女性と18歳の男性、助手席に同乗していた47歳の女性が全身を強打し、収容先の病院で死亡。RVを運転していた44歳の女性と、他車に乗っていた6人が打撲などの軽傷を負っている。

運転していた24歳の男は自動車運転過失致死傷容疑で逮捕され、その後に同罪で起訴されたが、2010年10月1日から事故前日の2月14日に掛けての間、法定労働時間以外に合計1033時間56分の時間外労働をしていたことが取り調べの過程で判明。事故当時は居眠り状態だったこともわかった。

8日に開かれた判決公判で、名古屋地裁の鈴木秀雄裁判官は「被告は連日の勤務で過労状態にあったが、会社は運行行程の細部までを指示しておらず、休憩をどのように取るかは運転手の裁量に任されていた」と指摘した。

その上で裁判官は「被告は眠気を催し、それを感じていたにもかかわらず運転を続行したことは身勝手な判断で、職業運転者としての甘さを感じる」、「過去にも交通違反を繰り返しており、交通法規を軽視していると認めざるを得ない。被告の過失は重大である」として、禁固7年の求刑に対し、禁固5年4か月の実刑判決を言い渡している。