塙郁夫選手のEV、サミットHer02がEVクラスのコースレコードを記録した

「2011パイクスピークインターナショナルヒルクライム」EVクラスは、塙郁夫選手が自ら組み上げたパイクスピーク攻略用マシン「サミットHer02」で、自身が持つEVクラスの記録13分17秒57を57秒以上短縮する12分20秒084で連覇を果たした。

EVはその特性から、耐久レースなどに比べ、スプリントレースに適していると言われるが、負荷を掛け続けるモーターの温度コントロールが重要なカギを握るようだ。また今年は、昨年までグラベルだったアッパーセクションがアスファルト舗装された。路面グリップが向上した一方で、モーターを空転させ、トルクを掛けることなく冷却することが出来ないので、モーターへの負担は想像以上に高い。

4番手スタートからサミット(頂上)でチェッカーを受けた塙選手は、「今年もモーター温度の上昇が懸念材料でした。最後のトップセクションで余力を残しておかないとタイムが出ないということを踏まえて、メカニックがコース各所でのペース配分を考えてくれました。示された温度で走るのはかなりハードルが高かったですが、メカニックの言葉を信じて、各セクションで指定された温度をキープするよう我慢の走りに徹しました」

「そのためにとった、極力ブレーキを踏まないでコーナーを抜ける走法は、今日のように風の強い日には、突風でマシンが一気に持っていかれるリスクもありました。ゴール地点では、モーター温度はリミッターが作動する190度の一歩手前184度。チームの立てた温度コントロールの作戦は完璧にこなせたと思います」

「しかしドライビングという面では、ラフなところや矛盾するところもあり、採点すれば70点…。来年は路面が全面舗装になりますが、今回の走行である程度傾向も見えているので、その対策をすればタイムアップを目指せます」と、来年のクラス4連覇への意欲をみせた。

塙選手は地元茨城で先の震災を体験している。そして、「震災直後、我々は、日本はダメになっていない!、と、特に海外に強くアピールしなければと考えました。自分も携わる自動車関連の商品、部品などを含め、海外から日本への発注が減ることを懸念したのです。そんな想いもあって、海外でのレースには震災前よりも積極的にチャレンジしています」

「今回のパイクスは、水も電気も止まっている状態でマシンを仕上げ、港までマシンを運ぶガソリンの入手にも苦労しました。でも、こうして記録更新することができ、日本はまだまだ大丈夫だぞっ!、てことを印象付けられたと思います」と結んだ。

今回のレースには、同じEVクラスにチャド・ホート選手が搭乗する日産『リーフ』がエントリー。EVクラス総合では塙選手の記録に及ばなかったものの、14分33秒429を計測し、今年から新設された「量産EVクラス」での優勝を果たした。

レース直後にクルマから下りたホート選手は、「レースコンディションでスタートラインからゴールまで走るのは今日が初めてだったので、ゴール地点でのバッテリー残量がどれくらいになるのかも明確には判らなかった。しかしバッテリーの温度もゲージで真ん中の正常値を示しており、なんの問題も無かった。切り返しがきつくブレーキを多用するミドルセクションでかなり充電出来た事もあり、バッテリーの残量も50%。期待以上の走りが出来た」

「デイリードライブのためのクルマとして、学校への子供の送迎や買い物に便利に使えるリーフが、パイクスピークのヒルクライムレースという場面でも、これだけの走りが出来る事を証明出来て、とても嬉しい」とコメントを寄せた。

リーフのドライバー、チャド・ホート選手(左)と塙郁夫選手(右) サミットHer02 塙郁夫選手 塙郁夫選手 サミットHer02 日産リーフ 日産リーフ 日産リーフ 日産リーフ