NXPセミコンダクターズは6月10日、自動車用多機能キー向けシングルチップソリューション「NCF2970キーリンク・ライト」を開発したと発表した。近く量産準備に入る。

キーリンク・ライトは、近距離無線通信規格のNFC(ニア・フィールド・コミニケーションズ)に対応、自動車キーの機能向上を実現する。自動車メーカーは、携帯電話やタブレット機器、ノートパソコンなどのNFC対応の外部機器と接続可能なキーを提供するのに役立つ。

ドライバーはNFC対応のモバイル機器に自動車キーをかざすだけで、基本的、有用な自動車の情報にアクセスできる。NFC規格に基づいて13.56MHz帯の周波数とHitag-3やAES-128といった暗号化技術を利用、安全性の高いストレージとして機密性の高いデータのやり取りができる。NFCの機能と、リモートキーレスエントリー技術やパッシブキーレスエントリー技術の組み合わせにより、NFC対応モバイル機器で自動車キーに保存されたデータを編集・閲覧するなど、新たな用途が可能になる。

具体的にはキーには自動車を最後に駐車した場所のGPS座標が記録されており、NFC対応携帯電話で読み込み、Googleマップなどのサービスを利用して近隣の地図をダウンロードすることで、自動車の位置を特定できる。

また、自宅のパソコンから簡単に目的地を入力してNFC経由でデータをキーに転送する。これによって自動車に乗ると、目的地は自動的にカーナビにアップロードされる。

さらに自宅やオフィスから出かける前に、NFC対応の携帯電話にキーをかざすだけで、燃料の残量を確認できるほか、自動車キーを介して、故障情報などの診断データを自動車からパソコンに転送し、サービスサイトにアップロードすることで、数秒で診断分析が行える。

自動車メーカーがあらかじめ自動車に組み込んでおいたアップグレードサービスを、購入後に利用することも可能となる。例えば、自宅からオンラインでリクエストすることで、自動車メーカーから許可を取得し、キーに新機能が保存される。これらの新機能は、次に自動車に乗ると自動的に利用可能となる。