マツダデミオSKYACTIV

マツダが「SKYACTIV G」技術を採用した初めての量産エンジンとなる「P3-VPS」型。改良型『デミオ』がハイブリッド並みの30km/リットル(10・15モード燃費)を達成できたのは、SKYACTIV Gの採用技術だけによるものではない。

そもそもデミオの従来エンジンもCVTで23km/リットルという省燃費ぶりを発揮しているから、相当な努力をしなければ、ここから3割もの燃費向上は不可能なのだ。

マツダ独自のアイドリングストップ技術である「i-stop」や、減速時に積極的に発電させてエネルギー回生を行なう充電制御といった補機類による効率化は当然のように実施。その上でP3-VPS型は、ロングストローク型としただけでなく、新設計のエンジンらしくあらゆる部分に高効率化への追求が図られている。

クランクシャフトのジャーナル部を細くしてピストンリングの張力も低くした。ローラーフォロワー(ロッカーアーム)の採用やカムシャフトのジャーナル部鏡面加工によって内部の慴動抵抗を出来る限り抑えている。さらにカムシャフトのジャーナル部の表面精度が向上したこともあってクリアランスの公差を追い込み、エンジンオイルの無駄な染み出しを抑えたそうだ。

オイルの潤滑システム自体も見直され、オイルの通路を短く、出入り口の形状も工夫することによりオイルを圧送する際の抵抗を3割近く低減させている。これによって、オイルポンプの容量を約1割小さくできただけでなく、負荷やエンジン回転数に応じて吐出圧を2段階に制御する可変機構を搭載して、駆動損失を削減することに成功しているという。

スパークプラグも従来より細いサイズを採用することで、ヘッド回りの冷却性を確保しやすいものとしている。また、ピストン裏側やコンロッド形状の最適化などで1気筒あたり99gの軽量化もしているが、その一方で吸排気バルブの傘部分の形状は軽量化も考慮しながら空気の流れを計算し、より効率の高い形状を採用しているそうだ。

実用域での燃費性能にこだわったエンジンは、最高出力が5400rpmで発生し、5500rpmでレブリミッターが作動するゆえ、バルブスプリングはシングルだ。これは駆動損失の減少とコストダウンにも貢献しているはず。直噴などお金がかかる部分だけでなく、コストを削る部分もしっかりと存在していた。

「エンジンの一番キツい状態をモーターで助けるハイブリッドを使うのは、開発する側から言えば非常に楽なんですよ。でもエンジンでやれるところまでやって、その上でエネルギー回生やハイブリッドを上積みしていくのが正しいやり方だと思うんです」(人見パワートレイン開発本部長コスト革新担当補佐)。

ハイブリッドと同等の10・15モード燃費を達成し、満を持して登場したSKYACTIV G 1.3。とても1.3リットルの4気筒、100万円台半ばの国産車とは思えないエンジンの作り込みだ。

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