三井金属鉱業は、主力製品であるキャリア付極薄電解銅箔「Micro Thin」のバックアップ供給体制を構築するため、マレーシア工場=子会社のMitsui Copper Foil(Malaysia)内に新たに製造設備を設置する。

東日本大震災による計画停電で同社の特殊銅箔事業部上尾事業所(埼玉県上尾市)の生産が一時停止となり、Micro Thinの供給が滞り、製品を適用するスマートフォン製造のサプライチェーン全体に多大な影響を与えた。

東京電力管内では、今夏の電力不足から再び計画停電が実施される可能性があり、サプライチェーンに再び影響する可能性がある。

同社は、Micro Thinのキャリア箔製造工程を海外拠点で、極薄箔製造工程を上尾事業所で分業できるよう準備を進めてきたが、製品の供給責任を果たすため、マレーシア工場内に新たなマイクロThinの製造ラインを設置することにした。

震災や電力不足から、サプライヤーが海外に進出する国内空洞化を懸念する声があるが、震災後に国内メーカーが海外にバックアップ拠点を表明したのは初めて。

同社のマレーシア工場では汎用銅箔の設備増強を実施しているが、この中にMicro Thinの製造ラインの設置を組み入れる。

マレーシア工場への新ライン設置は、上尾事業所のバックアップとして機能させることが目的で、通常時は、従来通り上尾事業所での生産を継続する。

現在、Micro Thinの生産能力は上尾事業所で月産100万平方mで、マレーシア工場にバックアップ生産能力を確保することで旺盛な需要にも安定的に対応するとしている。