日本自動車工業会の志賀俊之会長と自動車労組である全日本自動車産業労働組合総連合会の西原浩一郎会長は、1ドル=79円台となった円高水準について日本の産業空洞化につながると懸念、暗に政府に為替介入を求めるコメントを発表した。

1ドル=80円を切る円の高値水準について「自動車産業にとって想定を超えた円高状況にあり、経済のファンダメンタルズを全く反映しないレベル」とした上で「このような状況が続くことは日本の強みである『モノづくり』を支えてきた国内事業基盤の維持、強化に支障をきたしかねず、部品企業なども含め、日本の自動車産業全体の雇用に甚大な影響が出ることが懸念される」と、国内空洞化に結び付く可能性を指摘する。

さらに、東日本大震災で大きく落ち込んだ自動車国内生産は、回復の軌道に乗りつつあるとし、「円高の進行は、この生産回復に水をさし、ひいては日本経済の復興に悪影響を与える」と懸念を表明する。そして「政府は、緊急に円高是正に向けた対応を強く望みたい」として、為替介入を暗に求めている。

震災後、1ドル=79円台となり、急速に円高が進んだ1か月前は、政府が為替介入を実施、1ドル=83円程度まで戻したものの、その後、米国経済の先行き不透明感やポルトガルやギリシアの金融危機などから円の独歩高が進んでいる。