住友大阪セメントは、リチウムイオン電池正極材料の需要拡大に対応するため、ベトナムにリン酸鉄リチウムを製造する工場建設を決定した。投資金額は約50億円で、2012年上期に稼動させる。

同社は2007年12月に船橋にある事業所内にリン酸リチウムを年産150t製造する能力を持つパイロットプラントを導入、性能向上や品質管理など量産に向けて検証してきた。リン酸鉄リチウムを使用した電力貯蔵用大型リチウムイオン電池を国内で唯一量産しているエリーパワーをはじめ、複数のユーザーを確保したのに加え、今後、エコカーの急激な需要拡大が見込まれることから大規模量産工場の建設が必要と判断した。

ベトナムに「SOCベトナム」を設立してフンイエン省イエンミー地区に新工場を建設する。2013年にはフル生産する予定で生産能力は年産2000t。敷地に工場を増設すれば、年産1万tレベルまで能力増強が可能。

今後、国内外でCO2削減や災害時対応につながる自然エネルギーの活用、地域内の効率的な電力利用など、スマートグリッドの進展や、電気自動車、プラグインハイブリッドなどのエコカーの本格的な普及が見込まれており、安全性と長寿命に優れたリン酸鉄リチウムの需要が急速に拡大することが想定され、各電池メーカーでも量産体制構築の動きが活発化している。

同社は次期正極材料として注目されている「リン酸マンガンリチウム」の開発にも成功しており、リン酸鉄リチウムの需要増に対応するとともに、今後は独自のナノ粒子製造技術を活かした高性能製品の開発を目指す。