東京電力本店《撮影者 石田信一郎》

福島第一原発で働いていた東京電力社員2人の内部被曝線量が、緊急時の累積線量限度250mSv(ミリ・シーベルト)を超えることが、ほぼ確実となった。

2人に対する精密検査を実施した放射線医学総合研究所(千葉県)によると、高度の被曝を受けた2人の内部被曝線量は以下の通り。

・30代男性 210mSv〜580mSv
・40代男性 200mSv〜570mSv

最少値と最大値の幅があるのは、厚生労働省の報告期限が本日だったことも関係する。

内部被曝量は、放射性物質が長く体内に残留するほど増える。そのため確定させるためには、当人への聞き取りなどで、体内に取り込んだタイミングを細かく特定する必要がある。

今回は、2人が放射性物質をどのように体内に取り込んだかを聞き取る時間が足りなかったため、被曝線量に幅を持たせた。

3月11日から月末まで事故発生後に平均的に取り込んだ場合を最小値として仮定、3月11日と12日に一度に取り込んだ場合を最大値と仮定した。

それでも、30代男性は73/71mSv、40代男性が88.70mSvの外部被曝を受けている。外部被曝と内部被曝の最小値の累積被曝で、すでに限度を超えている。福島原発事故後、初めてのケースだ。

2人は福島原発事故発災時から福島第一原発3号機と4号機の間にある中央制御室で当直員をしていた。

「内部に放射性物質の取り込みをしたということは、マスクの着用がちゃんと守られていたのか。例えば、外では着用していても中央制御室では付けていなかったということはなかったのか。3月の発災直後は一部不十分であったことも考えられるので、行動を分析して再発防止を考えたい」と、原子力・立地本部の松本純一代理は話した。

検査をした放医研の医師は「特別な治療は必要ない」として、現在は福島第二原発で通常通り働いている。

被爆線量の増加に伴い、発生率が増加する放射線障害もあるので、松本氏は「引き続きフォローしていきたい」と話す一方で、「2人は放射線業務従事者なので、事前の被曝の知識や経験はあるので、そうした影響があることは特に申し上げたというより、すでに知っている」と、述べた。