腕時計として使っても全く違和感のないデザインはForeAthlete110からそのまま継承された。《撮影 山田正昭》

◆GARMINの最軽量モデルがバージョンアップ

ジョギングブームが続く中、ランニングウォッチの注目度も急上昇している。ハードなトレーニングをする上級者はもちろん、ビギナーや女性にも愛用者が広がっているようだ。走行ペースの測定機能は自分でペースを作れない初心者の助けになるし、心拍数のモニター機能は有酸素運動をしたいダイエット目的の女性にとっては必需品。そんなメリットが認知されてきたといえるだろう。もはやジョガーの必需品として定着してきた感がある。

それだけに新製品が数多く登場しており、開発競争、販売競争も激しくなってきた。そんな中で発売されたのがGARMINの『ForeAthlete210』だ。

GARMINのランニングウォッチはGPS搭載というアドバンテージがあるため、頻繁にモデルチェンジしなくても安定した人気がある。今回発売されたForeAthlete210にしても、新規に開発した製品ではなく、人気モデルの『ForeAthlete110』の実質的な改良版と考えていい。同社の最軽量モデルという特徴を引き継ぎながらジョガーのニーズに対応した新機能を追加して、さらに魅力的なモデルとなった。

まずForeAthlete210のアウトラインを紹介していこう。本体は一般的なデジタルウォッチと大差ないほどの小型、軽量が最大の特徴。わずか52グラムの小さな本体に、ラップ計測などのランニングウォッチとしての機能を詰め込み、さらにGPSレシーバーも搭載。GPSによる現在地の測位を活用することにより、走った距離、走行ペースを非常に正確に計測することができる。

また、ハートレートセンサーが付属しているので、心拍数のモニターも可能だ。つまり、走行ペース、走行距離、心拍数といったランニングの運動管理に必要なデータ全てを計測できる。やたらと存在感を放つ他社のランニングウォッチと比較して非常にシンプルに見えるが、じつは非常に多機能なフルスペックモデルなのだ。

ForeAthlete110との違いについても紹介しておこう。腕時計型の本体はデザイン、サイズとも全く同じに見える。ただし、後述する機能の追加に伴って液晶ディスプレイが変更されているので、ハードウエアは同じではない。追加された機能は、運動の内容をプログラミングできるインターバルトレーニング機能や心拍アラート機能。それに、前述のとおり、ForeAthlete110では別売のオプションだったハートレートセンサーが標準添付となった。

細かいところでは、オートラップの計測時に、ラップタイムの表示に加えて、そのラップの平均走行ペースを表示できるようになった。ちょっとしたことだがこれは非常に嬉しい改良だ。また、さらに別売オプションのフットポッドに対応したほか、ANT+規格対応の様々なフィットネスマシンも利用できるようになった。


◆正確なGPSに加えてフットポッドにも対応

ランニングウォッチと一口にいっても非常に多くの種類があり、違いがよくわからないという人も多いかもしれない。ごく簡単に紹介すると、1万円前後の低価格なモデルでは実質的に多機能ストップウォッチといったほうがいいモデルが多い。2万円前後の中級クラスになると、走行距離やペースの測定機能、あるいは心拍計としての機能が搭載される。

3万円前後の上級クラスになると、走行距離やペース、心拍計としての機能の両方が搭載されるモデルがほとんどだ。ForeAthlete210はGARMINのラインナップの中では中級だが、機能としてはこの上級クラスに入ると考えていい。

ところで、各種の計測機能のうち、心拍計についてはどのメーカーでもほぼ同じ方式を採用しているが、走行距離とペースを計測する方法には、2種類ある。

まずひとつは、靴にフットポッドと呼ばれるセンサーを取り付け、歩数と歩幅から走行距離、ペースを算出するタイプ。このタイプでも精度は十分に高く、GPSが受信できない場所でも使えるメリットがある。ただし、最初に自分の走り方を覚えさせるためのキャリブレーションという作業が必要で、これがかなり面倒だ。

一方、GPSを使う方式は電源を入れるだけですぐに使えるので簡単。フットポッドのように別体のセンサーをいちいち取り付ける手間もない。当然ながら精度も非常に高く、走れば走るほど誤差が蓄積されて大きくなってしまうフットポッドに対し、GPSは長距離を走っても精度が落ちない。

また、GPS方式は走ったコースを記録し、あとでそのデータをパソコンに転送すれば、地図上に走行コースを表示することができる。これはフットポッドには絶対にできない、GPS方式だけのメリットだ。

ForeAthlete210は前述のとおりGPS方式を採用しているが、それに加えてオプションでフットポッドにも対応している。例えば室内のジョギングコースを走る場合はGPSが使えないが、フットポッドを追加することで問題なく計測ができる。また、屋外でもフットポッドを取り付けておけば、橋の下などでGPSが受信できないときに自動的にフットポッドによる計測に切り替わる。どんなコンディションでも確実に計測できるのはありがたい。


◆使いやすさは従来通り

基本的な使い方はForeAthlete110と同一だ。腕につけて起動し、GPSを補足するのを待つ。あとは走りだすと同時にスタートボタンを押すだけだ。これだけですぐに走行距離、走行ペース、経過時間が表示される。付属のハートレートセンサーを付けていれば、経過時間のかわりに心拍数を表示することができる。

ハートレートセンサーは胸に巻き付けバンドのようなもので、バッテリーを内蔵した無線方式だ。他社のセンサーと比べても非常に軽量で、ずり落ちにくい。なお、本体もハートレートセンサーも日常生活防水なのでたっぷり汗を書いても、雨に降られても故障するようなことはない。

なお、本体はパソコンのUSB端子に接続して充電するようになっている。1日45分トレーニングし、それ以外の時はパワーセーブモードにしておいた場合、約1週間のバッテリーライフがある。パワーセーブモードでは、通常の腕時計として利用可能だ。

ForeAthlete210の豊富な機能のうち、競技としてのマラソンに取り組んでいる人なら、まず使いたいのは走行ペースやオートラップ機能だろう。オートラップ機能は予め設定した距離ごとに自動的にラップを計測する機能。例えば1kmごとに設定すれば、1km走るごとにピッと電子音が鳴りラップタイム、もしくは平均走行ペースが表示される。公道などのコースでもトラックを周回しているような感覚でラップを刻みながら走ることが可能だ。

運動不足の解消やダイエットのために走っている人なら、走行ペースよりも心拍数に注目したほうがいい。まず、自分の年令から割り出される最大心拍数を超えないように注意しよう。これは心筋梗塞などの深刻なトラブルを防止するために非常に重要だ。特に中高年のジョガーは注意したい。

ダイエット目的で走る場合は、最大心拍数の80%を超えないように走るのが効果的。これによって有酸素運動としてのジョギングができ、効果的に脂肪を燃焼させられるのだ。なお、ダイエットで気になる消費カロリーについては、走行中にリアルタイムに表示する機能は残念ながらない。しかし、走行後にデータを履歴として呼び出すとトータルの消費カロリーが表示される。

GARMIN ForeAthlete210《撮影 山田正昭》 本体とベルトが一体となったスポーティなデザインで、日常生活防水。操作は側面にある4つのボタンで行う。《撮影 山田正昭》 付属のクリップを取り付けてUSB端子に接続することで、充電やデータの転送を行う。《撮影 山田正昭》 大きなボディのランニングウォッチは実際に装着すると不恰好に見えてしまうことがあるが、ForeAthlete210は腕が細い人でも全く違和感がない。《撮影 山田正昭》 付属のハートレートセンサー。中央の本体以外は柔軟性のある布製で、非常に軽い。《撮影 山田正昭》 本体は簡単に取り外せるようになっており、バンドを洗濯したり、傷んだら新品に交換することができる。《撮影 山田正昭》 このハートレートセンサーのベルトには新たにホックが採用された。このおかげで脱着が非常に簡単にできるようになった。《撮影 山田正昭》 起動させたらまずGPSを捕捉。1分程度かかる場合があるので、じっと待つのではなくストレッチをしているといい。《撮影 山田正昭》 ディスプレイは3分割で、上に走行距離、下に走行ペース、中央に心拍数かタイムが表示される。ゾーンは心拍数の範囲を示すものだ。《撮影 山田正昭》 走ったあとに履歴機能でデータを呼び出すと、消費カロリーが表示される。「193C」がそれで、193キロカロリー消費したという意味だ。《撮影 山田正昭》