Sleep Buster(人とくるまのテクノロジー11)

広島で自動車用シートの製作を手がけるデルタ工業の子会社であるデルタツーリングは、シート内に仕込んだ脈拍計からドライバーの健康状態をリアルタイムにモニターし、運転の継続が危険と判断した場合には、警告を発する「Sleep Buster」を人とくるまのテクノロジー展に出展した。

ドライバーの健康状態を表示するにはまず5分間シートに座る必要がある。この間は運転していても構わない。開発部の落合直輝氏によると「5分間、シートに仕込まれたセンサーで背中の体表脈波を測定することで、ドライバーが集中しているかそれとも注意散漫の状態かが判断できる」という。センサーの場所は、太ももや腰などさまざまな場所で試したが、背中でのモニタリングがもっとも信頼性が高く、健康状態の把握に有効だという。

人体は覚醒と睡眠およびその2つの状態への遷移状態(覚醒→睡眠、睡眠→覚醒)がある。また、その自律神経は集中力の状態により心拍の周波数と血管径を変える性質をもっていることから、体表脈波の検出により覚醒→睡眠と睡眠→覚醒への遷移予兆を捉えることで、疲労の進行を予め把握することができるというのだ。

モニター上では18秒ごとにエネルギーレベルのプラス/マイナスが表示され、状態によってキャラクターの表示が変化する。危険状態が長く続くと、モニターから警告音として「喝!」というアラートが飛び込んでくる。

落合氏によると「Sleep Busterはトラック・バス協会にも話を持ち込んでいる」とのこと。しかしモニターやセンサーなどでコスト面の問題もあり、まだ実用化に向けて働きかけている段階にとどまっているという。「今後はさらに実験を重ねてSleep Busterの有効性を確証できるようなデータを蓄積して、行政や国からの助成金を利用して普及させるような方向性も考えていきたい」と落合氏は述べる。

大型トラックが渋滞の列に追突するといった事故は後を絶たず、また最近では栃木では重機の運転手が意識を失って小学生の列に突っ込むという悲惨な事件も起きている。乗車前の問診徹底だけでなく、このようなモニタリングシステムの普及により痛ましい追突事故の低減を期待したいところだ。

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