パイオニアはシムドライブのEV第一号にスマートフォンを核にしたカーエレクトロニクス技術を搭載した。《撮影 宮崎壮人》

パイオニアは18日、電気自動車(EV)の未来像を具現化したEV向けカーエレクトロニクスシステムの試作品を開発、EVベンチャーSIM-Drive(シムドライブ)の先行開発車事業第1号『SIM-LEI』に搭載したことを明らかにした。

スマートフォンを核としたシステムにより、EV利用の利便性を高めるとともに、EVならではの新しいカーライフを実現するなど、実用性とエンタテインメント性の両立を目指した。

同システムではナビゲーションだけでなく、オーディオや車内の照明もスマートフォンで操作できる。スマートフォンをコントローラーとして利用することで、車両の操作系を簡略化できるだけでなく、軽量化、低消費電力化を可能とする。さらに、各種コンテンツやアプリケーションを使ってドライブの楽しさを広げるのに役立つ。

このほか、同社が開発中のHUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載している。RGBレーザーを光源として採用、従来の車載HUDにはない高輝度、高コントラストな映像で、情報をフロントガラス前方の空間に表示する。さらに、次世代照明として注目されている有機EL照明モジュールを車室内照明として搭載する。有機EL照明は、従来の照明と比べ薄型で、面発光なため、自然光に近い照明となる。調色・調光が可能な有機EL照明モジュールを搭載しており、スマートフォンで好みの色、明るさにコントロールできる。

さらに、走行中の音が静かで、停車中も車室内の電気機器を活用できるなどのEVの特長を活かし、車空間を音楽や映像を楽しむ空間として提案する。インホイールモーターによる広い車室内空間を活かし、フロントスピーカーをドライバー正面に配置するなど、リビングでオーディオを楽しんでいるような視聴環境を実現する。シートにはスピーカーと体感音響システムを埋め込み、省電力ながら音漏れを気にせず迫力のある音を楽しむことができる。

同社は、システムの試作品の開発・搭載を皮切りに、実車で検証していく。EVに求められるカーエレクトロニクスシステムやEV向けサービスの企画・開発を進め、EVの普及促進と地球環境保護への貢献を推進する。

システムを搭載した開発車は、5月18〜20日に東京ビッグサイトで開催中の「N+(エヌプラス)〜新たな価値をプラスする材料と技術の複合展〜」に展示する。

スマートフォンで、オーディオ、ナビ、照明などの操作が可能となる《撮影 宮崎壮人》 ヘッドアップディスプレイ。前2席の頭上にセットされており、車両情報やナビゲーションが表示される《撮影 宮崎壮人》 有機EL照明。電球などと異なり、面で発光させることができる《撮影 宮崎壮人》 大型のスピーカーを正面に設置《撮影 宮崎壮人》 シート内にスピーカーと体感音響システムを埋め込む《撮影 宮崎壮人》 RGBレーザーを光源としたヘッドアップディスプレイ《撮影 宮崎壮人》 シムドライブSIM-LEI《撮影 宮崎壮人》