カルサンV1

「イエローキャブ」の愛称でおなじみの米国ニューヨーク市タクシーの次期車両を決める「タクシー・オブ・トゥモロー」で、日産『NV200』(日本名『NV200バネット』)が選ばれたことは既報のとおり。最終選考に残ったフォード『トランジット・コネクト』、トルコのカルサン(Karsan)『V1』を破っての栄冠だった。

ところでこのニュースで、カルサンV1というクルマを初めて知った人も多いだろう。カルサンは今年で創立45年を迎える商用車メーカーで、現在はPSAプジョー・シトロエン、ルノー・トラック、フィアット、ヒュンダイ各車両の生産を行っている。つまり現時点では、完全自社設計の車両は生産していない。

しかし2009年にタクシー・オブ・トゥモローの概要が明らかになると、カルサンはコンペへの参加を決定。現地法人のカルサンUSAを立ち上げるとともに、同じトルコの自動車技術開発会社ヘキサゴンと共同で、タクシー専用車の研究開発を始めた。その結果生まれたのがV1だ。

タクシーキャブ専用設計だけあって、内容はNV200やトランジット・コネクトより斬新だ。なかでもキャビンは運転席と3人掛けの後席、1人掛けの補助席というパッケージングとすることで、車いすのままで乗り降りできる広大な空間を実現している。摩天楼を一望できるように、ガラスルーフを採用した点も特徴だ。

ボディサイズは全長4826mm、全幅1922mm、全高1915mm、ホイールベース3251mmで、車両重量は1485kg。パワートレインはリアに積まれ、天然ガス、電気、ガソリンと電気のハイブリッドなど、さまざまなエネルギー源に対応可能としている。

しかしながら競合する2車が市販車ベースだったのに対し、V1は純然たるプロトタイプにすぎず、パワートレインの仕様など不明な部分も多かった。しかもカルサン社は、リアエンジンやハイブリッドカー、電気自動車を市販した経験はない。こうした部分が、最終選考で破れた理由のひとつかもしれない。ただしトルコの自動車産業の実力が、先進諸国に匹敵することはある程度証明されたと言えるだろう。

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