玄葉光一郎内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)は、アメリカや旧ソ連で起きた過去の原発事故を例に、日本の科学技術の将来と大震災、原発事故後の復興の関係について、以下のように述べた。

「広大な土地を有するアメリカや旧ソ連は(原発事故後)、後処理をして放置したが、日本は放置しないというメッセージが大切。土壌の浄化、汚染水の処理、モニタリング技術、健康被害の問題など、世界の英知を集めつつ、日本の科学技術の総力を挙げて立ち向かっていくべきである」

さらに「それが被災者の気持ちに応えることになる。それを克服して見せたら、世界から一目も二目も置かれる日本になる」と、科学技術の役割に期待を込めた。

玄葉氏を中心に8人の有識者で構成される総合科学技術会議は、第4期の科学技術基本計画(11年度〜15年度)の再検討に必要な「当面の科学技術政策の運営」を2日にまとめている。

この文書の中で同会議は、3月に発生した震災や原発事故の視点を取り入れ、科学技術力が可能にする解決策や推進策を第4期の基本計画に盛り込むべきだとする。

再検討の主な視点は4点。
●復興・再生並びに災害からの安全性の向上に向けた重点化
●エネルギー科学技術を中心としたグリーンイノベーションの再検討
●基礎研究及び人材育成の強化
●非常時の科学技術に関する内外とのリスクコミュニケーションの改善

例えば、安全性の向上に向けた重点化では「被災地域の産業の復興・再生、放射性物質による汚染土壌の浄化や汚染水処理を含む国土や社会インフラの再構築、放射線による健康への影響評価などの課題の解決に取り組み、具体的推進方策を明らかにする」ことが必要だとしている。

また、グリーンイノベーションの再検討では「エネルギー供給の低炭素化、エネルギー利用の高効率化及びスマート化並びに社会インフラのグリーン化というそれぞれの重要課題について、研究開発から、事業化、普及に至るステップを加速することを含め、その具体的な推進方策を明らかにする」と、ある。

国民は対しても災害情報や避難情報を「冷静かつ適切に判断し、活用することができるような科学技術に関する必要な知識を備える」ことを求める一方で、だからこそ「社会の要請に応え、科学技術により検証された情報を分かりやすい形で提供することが重要である」と、リスクコミュニケーションの改善を求めた。

第4期基本計画は3月中に閣議決定されるはずだったが、震災で止まっていた。再検討を加えた第4期計画は、8月にまとめる予定。