選挙当日に計画停電させないでほしい---。選挙を実施する選挙管理委員会は、都県を通じて以前から東京電力に働きかけていた。

10日の統一地方選挙は、全国で実施されるもので、仮に停電が起きれば、東電の供給エリアである1都8県だけが、投票や開票が大幅に遅れることになる。

藤本孝副社長は、統一地方選挙当日の計画停電について、「選挙当日は、何としても停電させないようにしたい」と、話していたが、はっきりと明らかにされたのは6日の午後だった。

西東京市の選挙管理委員会に、仮に停電になった場合の影響を聞いた。

「その昔は手作業の時代もあったので、計画停電で選挙ができないということはないが、それなりの人員も時間も必要。ただ、定められている当日21時からの開票は不可能。急に停電になった時はお手上げだから、当日は節電をお願いするしかない」

投票では重複投票防止などのため、選挙人名簿台帳で投票者を照会する必要がある。停電すると、この照合作業が手作業になり、大幅に作業が遅れる。

さらに投票用紙の管理には用紙交付機が、紙圧を検知して行っている。これは乾電池でも作動するのだが「震災の影響で乾電池の入手は極めて困難」(前同)。

時間によっては投票所の照明も考えなければならないが、ここにも大地震の影響がある。「西東京ではランタンを使っているが、これも新たな入手は現状では難しい」(前同)。

開票でも、かなりの影響がある。

各自治体は投票状況を都道府県に知らせなければならないが、停電すればコンピュータ上のやり取りができない。電話で代行しようとしても、現在の多機能電話はほとんどAC電源を必要とするため、電話なら大丈夫とも言えない。「もし停電したら、ほとんど何もできない。お手上げの状態です」。

そのため東電も、計画停電の見送り発表を急いだと思われる。ただ、それでも不満は残る。

「電気が必要なのは投票日当日だけじゃないんですね。これは不在者投票でも同じなのです」

温暖な天候が手伝い、これまでのところ9日連続で無停電状態が実現できている。選挙当日まで続くと13日連続となる。停電中止表明は、できるだけ早く願いたいものだ。