CT200h

コンソールのドライブモードスイッチで「SPORT」を選ぶと、メーターパネル上部の照明色が青から赤に変わると共に、左側のパワーメーターがタコメーターに切り替わる。針はそのままで目盛りだけ変わるという巧い仕組みだ。

タコメーターがあればスポーティってわけじゃないけど、右足の動きに連動して目の前で針が跳ねてくれると、なんとなく「自動車を運転している」という充実感が強まるもの。その感覚が『プリウス』や『SAI』、『HS250h』との違いであり、『CT200h』の売りなのだろうと思う。

低めの着座位置と高いコンソールが人とクルマの一体感を醸し、コンパクトなメーターバイザーは運転への集中力を誘う。レクサスでは珍しい水平基調のインパネはワイド感・開放感を表現すると同時に、無駄を排した機能的なイメージもある。このままスポーツカーに載せてもよさそうなインパネと言えるかもしれない。

それでいて、普通ならシフトレバーがある位置にナビを操作するリモートタッチがあり、前方に追いやったシフトレバーは軽い操作力を活かしたユニークなT字形と、ハイブリッドならではの特徴も併せ持つ。下り坂などでアクセルを緩めるとタコメーターがゼロを指すという、従来のガソリン車ではありえない体験も含めて、伝統的なファン・トゥ・ドライブとはひと味違う感覚がこのインテリアの個性だろう。

エクステリアに目を移せば、空力的なロングルーフ・シルエット。そのままではキャビンが長く、重たく見えてしまうので、バックウインドウをサイドに回り込ませてCピラーを前進させたのがひとつの特徴だ。ディテールを見ると、線や面が複雑に入り組んでいることに気付く。スッキリしない印象もあるが、見る状況によっていろいろに見える造形はレクサスが一貫して追求してきたもの。表情豊かで見応えがあるのが確かだ。

ただ、インテリアに比べると、「スポーティ・ハイブリッドらしい個性」を感じにくい。エコなハイブリッドにスポーティなキャラを与えるのが、そもそも難しいのはわかるんだけどね。CT200hで大事なのは「運転する充実感」。そこにフォーカスするなら、レクサスといえども複雑なディテールで醸す味わいをすべて捨てて、もっとシンプルなフォルムを目指すべきではなかったか、とボクは思う。インテリアではそれが出来ているのだから……。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
?パワーソース:★★★?
フットワーク:★★★?★★
オススメ度:★★★?★

千葉匠|デザインジャーナリスト/AJAJ理事
デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。

CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h CT200h