(5日14時・福島第一原発2号機) 提供=東京電力

赤いさび止めを塗った格子の奥に割れ目から白い水がちょろちょろ流れている。これが今、日本を揺るがす福島第一原発2号機取水口の汚染水だ。

この取水口の向こうは太平洋。東京電力は1万1500tの放射性物質を含んだ滞留水を海洋投棄中だが、この水の汚染度は、この投棄水の比ではない。

2日、海面の海水を採取してゲルマニウム半導体検出器で測定したところ、2号機前の海面で放射性ヨウ素131が法定濃度限度の750万倍(1立方cm当たり30万ベクレル)測定された。

水は、24時間垂れ流されている。4日に計り直しても、やはりヨウ素131は法定限度の500万倍(1立方cm当たり20万ベクレル)。東電はこれが真の高レベル汚染と認定し、自らが海洋に投棄した水のことは「低レベル」汚染水と呼び始めた。

昨日までの問題は、この放射性物質を含む汚染水が、どこからやってきたのか特定できないことだった。おがくずや新聞紙、おしめなどにも使われている高分子ポリマーを使って止めようとしたのは、この水だったのだ。だが、水の経路がわからないまま詰め物をしても、効果は期待できない。

万策尽きるかに見えた時、考え出されたのが入浴剤作戦だった。写真の水がうっすら白く見えるのがわかるだろうか。

これは、漏れていそうな場所をボーリング(※深く掘ること)して、入浴剤を投入してみたら、水が入浴剤の白色に染まったという写真なのだ。

専門用語では水の浸入経路を探る薬剤のことをトレーサーというらしい。ただ、普通は染料などを使うが、入浴剤で代用したところが斬新だ。よくあるライトグリーンではなく、白色を選んだのは「暗闇でもよく見えるように」(東電広報担当者)という配慮である。

浸入経路が徐々に判明したので、現在は止水剤を注入することに全力を傾けている。用意した止水剤は1万2000リットル。すでに3000リットルをこの水を止めるために使った。

もしこれで止まらなくても、もう一度別の場所をボーリングして、水を止める。海の間際で水を止めても、水は出口を求めて、またどこかに流れ出るかもしれない。

しかし、そんなことを考えていられないほど、この水を海に流出させないことは、原子炉を冷やすことと同じくらい喫緊の課題だった。

「具体的な流量は不明だが、止水剤を入れてから流量が減ったことを目視で確認した。一定の効果はあった。引き続き止水剤を投入する」と、東電は自信を深めている。

漏水。想定される要因 漏水。現状考えている対策工事