(5日10時・経産省) 撮影=中島みなみ

福島原発事故で避難指示を受けた住民ら原発事故被害者への賠償金を巡って、電力会社を監督する経済産業省と東京電力の間で、微妙な食い違いが生じている。

「可及的に速やかにということなので、なるべく早く決めてみなさんに発表したい」。賠償金の目途について問われた海江田万里経産相は5日の会見で、そう話した。

金額こそ具体的にしなかったが、海江田氏は「ある程度まとまったお金にして、それは後から出てくる賠償金の内金にすればいい」と、話した。

ところが、同日に会見を行った東京電力の藤本孝副社長は、その話を、あっさり否定した。「損害賠償については、原子力損害賠償法に基づいて、国と調整している。決定したというのは事実ではない。これからどういう形で当社と国が分担するか、進めているところ。結論が出たものはない」。

賠償金を出すのは国が先か、東電が先か。早くも責任の押し付け合いが始まっているのかと思えば、どうもそうばかりでもない。

東電は同日、福島第一原発と福島第二原発関連で避難指示の出た10市町村に見舞金を送った。金額は2000万円。藤本孝副社長は「賠償金とは別枠のもの」と、話す。見舞金は南相馬市、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、葛尾村、川内町、田村市が受け入れたが、浪江町は受け取りを拒否した。

今も放射性物質を含む汚染水を太平洋に流し、原子炉安定化の目途も立っていない状況で、放射能汚染や風評の被害は広がっていく。貯金通帳も飼っていたペットさえ残して避難した住民感情との隔たりは大きい。

(5日14時・東電本店)  撮影=中島みなみ