(13日・東電本店) 撮影=中島みなみ

日本広報学会は1日、入院中の清水正孝東電社長に代わり、副会長の上野征洋静岡文化芸術大学名誉教授を会長代行に選任した。

東京電力の清水社長は現職会長だが、体調不良により統合災害対策本部での執務もできない状態。そのため同会でも「時間を割けない状態」であると判断し、会長代行を選任した。

上野氏は早大卒、東大社会情報研究所終了。法政大学講師。コミュニケーション科学研究所専務を経て現職。科学技術会議専門委員、旧郵政省、旧建設省、農水省等の審議会、研究会委員を歴任した。 国際デザイン博、世界都市博、21世紀未来博などのプロデューサーも務めた。

清水会長の挨拶は、すでに同会のウェブサイトから消え、上野会長代行の次のような言葉が掲載されている。

「今回の震災を踏まえ、政府・企業・自治体などの広報活動を分析し、よりよい情報提供や危機管理のあり方を提言するとともに、メディアの報道状況が被災者の方々に与える影響も検討してまいります」

同学会は企業の広報やコミュニケーション活動について学術的な研究をすることを設立の趣旨としている。全国各地で会員のための「広報塾」を開催している。また、この趣旨から企業に必要とされる施策の内容の検討や展開方法、技法の開発を目指す。

産業界の会員などから会費を募り、大学教授ら有識者の実践的な研究・提言活動を行うに対して研究費の助成を行い、調査研究活動を続けている。優秀な研究には学会賞を授与する。

清水会長も、こうした研究には関心が深く、消された清水会長の挨拶には、以下のような内容が記載されていた。

「私は、副社長時代に広報を担当しており、この間、旧江戸川のクレーン船による送電線事故や、新潟県中越沖地震の対応等を経験しました。これら事象をはじめとする広報経験を通じて、企業経営における広報・コミュニケーション活動の重要性を改めて感じるとともに、これからの広報活動に求められるのは『伝える広報』から『伝わる広報』への変化ではないかと思っております」

清水正孝東電社長は、福島原発事故に本店で1度会見を行ったが、体調不良で統合対策本部を離れ、その後入院。現在も退院の目途はたっていない。

同学会は有識者など個人会員475人、学生会員40人、法人会員62社、法人代表者ではない法人登録者163人が加盟する。メディアからも日本テレビ報道局経済部の大野伸解説委員が理事に名を連ねている。