提供=東京電力

発熱する原子炉をいかに冷温停止に導くか。そればかりがクローズアップされている福島原発事故だが、その影にはけっこうな数の負傷者が存在する。

東京電力が毎日行っている会見から、その負傷者を抜き出してみた。

3月11日の地震当日。協力企業作業員2人、東電社員1人が負傷した。ほかに東電社員2人が行方不明になった。原因は地震と津波だった。

3月12日15時36分頃、第一原発1号機で水素爆発が発生した。この爆発で東電社員2人と協力企業作業員2人が負傷。免震重要棟付近にいた協力企業作業員1人も意識不明で病院に搬送され、今も入院加療中だ。

さらに、左胸を押さえて立てない状態だった東電社員1人が病院に搬送され、こちらは現在、自宅療養中だ。

ほかにも、この日は、東電社員1人が、初めて100mSv(ミリ・シーベルト)を超える線量を浴び、病院で検査を受けた。

3月13日は、第一原発1、2号機中央制御室で、東電社員2人が全面マスク着用作業中に不調を訴え、病院に搬送されている。

3月14日11時頃、1号機に続き3号機でも水素爆発が起きた。この爆発による負傷者は11人(東電社員4人、協力企業作業員3人、自衛隊員4人)に上った。

3月22日以降は、原子炉冷却のための電源確保作業に伴う事故だ。同日、共用プールで仮設電源盤設置作業中の協力企業作業員1人が負傷した。

3月23日には、再び共用プールで仮設電源盤設置作業中の協力企業作業員1人が負傷した。

そして、3月24日には、初の被曝事故が起きている。

第一原発3号機のタービン建屋1階と地下でケーブル敷設作業を行っていた協力企業作業員3人が放射性物質に汚染された水の中で作業中に、170mCv以上を超える放射線量を浴びた。そのうち2人がベータ線熱傷の可能性を疑われ、福島県から千葉県の放射線医学総合研究所に移送された。

この事故は厚生労働省も聞き取りを行っているが、線量計のアラームを聞いているはずの3人がなぜこうした事故を起こしたのか。東電側は、その背景を説明していない。

こうした負傷者の記録は、ある時から東電の説明資料からごっそり抜け落ち、今では地震発生時の11日起きた行方不明の社員2人と、被曝した3人のことしか掲載されていない。

これまでに福島原発事故に関連した負傷者、行方不明は東電社員が13人、協力企業作業員が13人の26人だ。また、このほかに3月末日までに100mv以上の放射線量を浴びた社員や作業員が16人いる。