中部電力(水野明久社長)は29日、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所で、大規模な総合訓練を行う。「東北地方太平洋沖地震を踏まえた浜岡原子力発電所における総合訓練」というだけあって、その想定は福島原発そっくりだ。

地震発生で原子炉を緊急停止させたが、外部からの送電が停止。非常用ディーゼル発電に切り替えるが、さらに津波により発電所構内に浸水。冷却ポンプが停止し、すべての交流電源を失ったという想定だ。

中電は、福島原発の事故を教訓に、津波に対する対応能力を向上させる対策を15日と22日の2回に渡って発表した。

それによると、発電所構内への浸水防止対策や海水ポンプ設置場所への防水壁の新設、ポンプの予備の購入などで、電源確保を強化。それに加えて、非常用炉心冷却のために必要な電源装置の新設、非常用資機材の倉庫の新設などを決めた。

これらは福島原発でも整備されていたが役に立たなかったか、そもそも不足していた施設や対策である。

ただ、福島原発事故は、電源が失われたことにより、原子炉冷却ができないだけでなく、原子炉の状態を知る目である各種のセンサー(モニタリング・ポストなど)が、ほぼ壊滅状態となり、復旧を妨げた。

そして、その遅れが放射性物質の拡散を招き、さらに、電源復旧に手間取るという悪循環を続けている。この苦境を、どこまで訓練で再現して他山の石とすることができるか。それが信頼性向上の鍵となる。

訓練項目は以下の7つ。
・シミュレーター訓練(実働訓練)
・外部電源復旧訓練(図上訓練)
・発電機車、過般型発電機の接続訓練
・環境モニタリング訓練(実働訓練)
・海水系ポンプ電動機復旧訓練(実働訓練)
・非常用ディーゼル発電機の燃料移送訓練(実働訓練)
・消防車を利用した代替注水訓練(実働訓練)

こうした大規模訓練を実施することにより中電は「地元に説明をして、信頼性を向上させたい」(広報担当)という。原発の健全性の認識を大規模訓練により広め、定期点検中の浜岡原発の早期再稼働につなげたい意向だ。