富士火災海上保険は22日、東日本で広範囲に発生した一連の地震により支払われる保険金と財務状況に関する試算を公表した。

日本では、住居に使用される建物に対する「家財家計地震保険制度」において、最大5兆5000億円までの被害について全額保険金が支払わることになっている。その際、政府、日本地震再保険株式会社、民間の損害保険会社それぞれに、異なる責任限度額が定められている。1995年に発生した阪神淡路大震災で支払われた保険金総額は783億円。

また、民間の損害保険会社は通常の保険金支払いに充当する責任準備金に加えて、巨大災害に備えた異常危険準備金を積み立てており、日本の会計基準ベースでは大災害に関わる保険金の支払い時にはこの準備金を取り崩すことで対応できるようになっている。

富士火災によると、被害総額が保険金の全額が支払われる上限額5兆5000億円だった場合の同社の責任限度額は417億円。また昨年末現在で、地震保険に関わる危険準備金として395億円を積み立てているとともに、日本地震再保険に対し355億円を預託しているという。

これにより今回の一連の地震による被害が3兆1000億円を超えない限りは、日本地震再保険に対する預託金を積み増すことはないと富士火災では見込んでいる。また仮に被害が3兆1000億円を超える場合、最大で21億6000万円の準備金を積み増すことになると試算している。

富士火災はアメリカン・インターナショナル・グループおよびチャーティスの連結子会社で、親会社との連結には米国会計基準が適用される。米国会計基準では災害が発生する前に巨大災害に備えた異常危険準備金を積み立てることは認められていない。このため、395億円までの損失についてはキャッシュベースでの影響はないものの、日本地震再保険の制度に関する損失は損益計算書上、計上されることになるとしている。