(13日20時・東電本社) 撮影=石田信一郎

計画停電は、日常生活に深い影響を与えている建物損傷なき災害だ。そこから解放される鍵はどこにあるのか。東京電力の供給力増強に着目した。

東電の電力供給力は、わずかだが上昇している。例えば、大規模停電が懸念された17日の東京電力の供給力は3350万kWだったが、翌日は3500万kWに増強した。ただ、この供給力は電力消費の想定(需要)によって変化し、需要が伸びず、計画停電が実施されなかった19日は3400万kWだった。

藤本孝副社長は、供給力のアップには2つの手段があるという。いずれも火力発電で、1つは損傷を受けた火力発電所の復旧、もう1つは定期点検中で運転を止めている火力発電機の繰り上げ始動だ。

「定期点検中のものは設備が壊れているわけではないので早い。3月中には250万kWから300万kWは見込めると思う。さらに4月中にはトータルで800万kWは確保したい」(藤本氏)

17日には大井火力(品川区八潮)の発電機が35万kWで再始動した。東扇島火力(川崎市)、五井火力(千葉県市原市)、袖ケ浦火力(千葉県袖ケ浦)の再開が予定されいている。復旧が難しいのは、石炭火力で震災の影響が強く残る常陸那珂火力(茨城県東海村)や広野(福島県広野町)だ。

ただ、5000万kWから5500万kWの夏のピークには、さらに増強が必要だ。島田保之営業部長が、言葉を継ぐ。

「廃止前提で考えていた停止火力を復活するとか、ガスタービンなど単工期できる電源をどれだけ建設できるか。お客様の自家発電を購入するなど考えているが大きな上積みは難しい。引き続き節電をお願いしたい」

震災の影響で失われた東電の供給力は約2000万kW。既存の発電所の復旧が一巡し、発電所の新規建設が難しいとなると、いよいよ「節電」と「停電」を強化するしか、残された手段はなくなる。