円が一時76円台に突入し、15年11か月ぶりに最高値を更新した。

東日本大地震の影響で、低利通貨である円を買う動きが強まったほか、震災の影響で日本企業が当面の手元資金を確保するため、円を買い戻す動きが強まるとの見方が拡がったためだ。ユーロに対しても1ユーロ=108円台と、急速に円高が進んでいる。

東日本大地震の後、円高が進行していたものの、1ドル=80円を突破すると、政府・日銀による為替介入が入るとの見方が強く、80円台後半で推移していた。しかし、海外のヘッジファンドなどで円を買う動きが加速、これまで最高値だった1995年4月の1ドル=79円75銭をあっさり突破し、76円台にまで進んだ。

一方、急速な円高は、輸出企業である自動車メーカーの業績を直撃する。自動車メーカー各社は、新興市場向けなどの販売が好調で業績が回復していた。3月の決算期を直前に控え、地震による生産停止、株価低迷による投資有価証券評価損に加え、為替差損というリスクが加わり、業績回復に急ブレーキがかかる可能性がある。