提供=東京電力

東京電力(清水正孝社長)が16日の会見で、再び写真を公開した。監視カメラなどの映像は、停電のため使えなくなっている。これは現場の作業員が撮影した、という。

一度トラブルを起こした原発は「汚染の可能性」という巨大な密室に包まれる。地震をきっかけにした福島原発に避難指示が出た現在、その現状を知るのは備えのあるごく一部の作業員だけだ。

この写真は、作業員が安全を考えながら15日午前7時33分に撮影した。第一原発は、海岸線に沿って1号炉から5号炉まで5つの原子炉建屋が並んで建っている。

先に公表された5号炉から撮影した写真と、まったく同じ時間に撮られたという。

写真右手一番手前が1号炉、その左側に比較的形を保っているのが2号炉だ。見えにくいが1号炉の右は太平洋だ。

本来であれば、さらに後ろに同じような建物が並んでいるのだが、2号炉建屋の後ろは、低くつぶれたような3号炉と骨組みだけの4号炉だけだ。

東京電力の『原子力発電の現状』という小冊子には『五重の壁』という表現がある。放射性物質の飛散を防ぐための五重の壁があるから安心というわけだ。だが、写真に見る崩壊した原子炉建屋はその五番目、一番外側の壁。

拡大すると、水素爆発で吹き飛んだ五番目の壁の破片が小高い丘や手前の事務棟の屋上に飛び散っているのがわかる。