(13日22時・東電本社) 撮影=中島みなみ

「残念ながら、信号だけを生かすということはできません」と、会見に応じた東京電力の島田保之営業部長は話した。

停電では、発電された電気を最初に受ける超高圧変電所の先の6万6000ボルトの送電線で切る。その先にある電力消費施設は、規模の大小に関わらず止まる。工場、商店、住宅、行政施設も例外ではない。

同社は1都8県の東京電力供給エリアを5つのグループに分け、1回の停電を3時間程度に抑える。第1グループの停電が終わると、第2グループへと、必ずどこかが停電している形で、全体としての消費量を抑える。

計画的に停電するため一見すると影響は限定的のように思えるが、企業活動や個人の生活に与える影響は、それほど軽くはない。

例えば、通行可能な高速道路は、交通管制施設やバーの開閉を含めたETCなど、恒常的に電力を必要とする設備は自家発電で対応できる。しかし、高速道路が大丈夫だとしても、冒頭のように一般道の信号が止まっている場合、渋滞が引き起こされる可能性もある。

首都圏の鉄道も同様だ。電車を動かす電力などは自家発電の部分もあるが、駅舎の照明など部分的に東京電力から購入電力でまかなっている部分もある。

例え、電車が自家発電で動けたとしても、一つの路線を運行しているのに停電対象の駅だけ乗降を休止して通過するわけにはいかない。

「運行するかどうかも含めて、まったくわからない。今、どうなると言える状況ではない」(JR東日本広報担当)というのも当然の話だ。

宿泊施設や飲食店でも、停電時間を見極めた慎重な判断が必要になる。もし顧客が集中する時間帯に停電時間がぶつかったら、対応することがほぼ不可能だからだ。

一般生活でも影響は避けられない。一部の特別なオフィスビルを除けば、一般の居住用マンションのエレベーターは、ほぼ電力会社からの購入電力で動いている。

石原都知事は都知事には「いざという時、10階まで駆け上がることのできる体力が必要だ」と話したが、これから当分の間は普通の人々にも、そうした体力が要求されることになるかもしれない。

1都8県にまたがる計画停電については4月末日まで。また夏場の電力消費ピーク時に、再びこうした計画停電を実施。電力供給体制を整えながら、その後は対象エリアを順次、縮小していく方針だ。

ただ、原子力発電所を含めたすべての発電所が復旧しなければ、震災前の状況になかなか戻らない。

大規模な停電を知らない世代が増えている中で、当分の間、国民生活に混乱が生じることは避けられない。