(3日・東名高速上郷SA上り線) 撮影=中島みなみ

高速道路初のトリックアートが描かれたSA(サービスエリア)となった東名高速上郷SA上り線。レストランを運営する「名鉄レストラン」(名古屋市)は、3月3日からトリックアートにちなんだ、トリックメニューを展開する。

その第一弾は「鶏ック唐揚げ」だ。見た目は鶏の唐揚げ、味も唐揚げ。しかし、その中味は鶏肉ではなく高野豆腐を使って健康に配慮する。鶏好きの名古屋ならではのメニューだ。

「まずはスナック菓子から。今後は第2弾としてトリックカレー、第3弾もまだ内容は固まっていませんが打ち出す予定です」(上郷名鉄レストラン山田英昭支配人)。

トリックカレーとは、見た目は真っ赤で激辛な雰囲気。食べてみると、子供にも食べやすい甘口。トリックアートに似た驚きと楽しさを味わえるメニューを、次々と開発中だ。

上郷SAは名古屋を中心とするコアな土産物が揃うSAとしても、マニアに知られている。

名古屋名物と言えば、手羽先や味噌煮込み、お菓子では、ういろうなどが夕名だが、ここで手に入るのはそうしたメジャーな銘品だけでなく、名古屋ローカルでは知名度抜群だが、全国的には知られてない名物だ。

例えば、名古屋市中村区に本社がある食品会社「オリエンタル」のマースカレー。昭和37年からのロングセラーで、当時からカレー本体とは別にチヤツネ(天然調味料)を添えて発売され、そのタイプのインスタント・カレーの原型となった。レトロなパッケージとその見た目を裏切らない昔懐かしい味で人気のカレーだ。

同じ名古屋を地盤とする味付海苔の「浜乙女」(中村区)のふりかけは、名古屋名物づくし。名古屋コーチン、手羽先、八丁味噌を全部ふりかけにしてしまった。「これだけの品揃えはスーパーでも見あたらない」と、前出・名鉄レストランの売場責任者が胸を張る。

名古屋の味噌を代表する八丁味噌の隣に「桝塚味噌」が並んでいる。桝塚味噌はSAと同じ豊田市にる野田味噌商店(同市桝塚町)が作る。八丁味噌と同じく大豆だけが原料の赤味噌だ。

上郷名鉄レストランのおすすめは、味噌と同じく、大豆だけで作るたまり醤油。ふつうの醤油は大豆と小麦で作るが、たまり醤油は大豆のみ。「たまり醤油をもっと濃くした本溜エッセンスが好評です」(前同)。

上郷SAにはタリーズコーヒーもある。全国どこも同じ店というイメージが強いが、ここでも独自色を見つけた。同店オリジナルのノートが「旅の思い出」という落書きノートになっていて、ドリンクを受け取るカウンター前に置いてある。旅の途中のコーヒーブレークでさまざまな年齢層の人々に書き込まれ、08年4月の開店以来13冊目を重ねた。

高速道路のSA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)が、郷土色を全面に出して、個性を強調するようになった。リニューアル後のSAやPAには、「アレ」があるエリアといえば、名前を呼ばなくてもわかるほど違った表情がある。濃厚な名古屋的品揃えは、上郷SAが筆頭だろう。

(3日・東名高速上郷SA上り線) 撮影=中島みなみ (3日・東名高速上郷SA上り線) 撮影=中島みなみ (3日・東名高速上郷SA上り線) 撮影=中島みなみ